農薬混入犯の思考回路を専門家が分析

2014年01月28日 11時00分

 アクリフーズ群馬工場(群馬県大泉町)の冷凍食品農薬混入事件で、偽計業務妨害容疑で25日に逮捕された工場契約社員阿部利樹容疑者(49)が、農薬検出が発表された昨年12月29日以降、混入について「いくらでもできる」と同僚に話していたことが27日、工場関係者への取材で分かった。群馬県警は26日、阿部容疑者と同じピザの製造ラインで働いていた従業員らから話を聴き、工場内で不審な様子がなかったか捜査している。

 


 工場関係者によると、阿部容疑者は行方不明となる今月14日まで通常通り出勤し、回収製品の検査作業をしていた。休憩時間に同僚と雑談し「やれないことはない。いくらでもできるよな」と発言していた。しきりに携帯電話でニュースを確認する姿も目撃されているという。


 阿部容疑者が、休憩時間に担当外の製造ラインに出入りする姿がたびたび目撃されていたことも捜査関係者らへの取材で判明。県警は、ひそかに農薬を持ち込み、休憩時間を利用して工場内を行き来しながら複数の製品に農薬「マラチオン」を混入させたとみて捜査している。同容疑者は「覚えていない」と話しているという。


 逮捕容疑は、昨年10月3~7日ごろ、4製品にマラチオンを混入した疑い。県警によると、阿部容疑者はピザの製造担当だったが、マラチオンはピザのほか、コロッケとフライの製品からも検出された。


 アクリ社によると、工場の製造ラインはピザ、グラタン、コロッケなど5種類。ラインごとに扉が付いた部屋に分かれているが、持ち場以外への立ち入りを制限する施錠などのシステムはなく、従業員は各部屋を自由に通ることができた。製品を包装、箱詰めする「包装室」への行き来も可能だったという。


 捜査関係者や工場関係者によると、阿部容疑者は自分の休憩時に、ピザ以外の稼働中のラインに頻繁に出入りして同僚と雑談し、冷凍前の製品をつまみ食いすることもあったという。作業中に持ち場を離れることは難しく、県警は休憩時間に農薬を混入した疑いが強いとみている。アクリ社は工場内に私物を持ち込まないよう指導していたが、ボディーチェックなどはしていない。工場の監視カメラは製造ラインには設置されてなかった。ある従業員は取材に「作業着の内側に隠せば小瓶程度は持ち込める」と話した。

 

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