「冷凍食品農薬混入」外国人が関与?テロ説も

2014年01月12日 08時00分

 食品大手「マルハニチロホールディングス」の子会社「アクリフーズ」の群馬工場(群馬県大泉町)で製造した冷凍食品から農薬「マラチオン」が検出された問題は、全国で2183人の健康被害が疑われる(厚生労働省、10日まで)大事件に発展している。だが、いまだその原因は突き止められていない。群馬県警は内部関係者による意図的な混入が濃厚とみているが、外国人が関与している説を唱える声も出ている。

 マルハ社とアクリ社は10日、大泉署に業務妨害容疑で被害届を提出し、受理された。消費者庁に呼び出しを受けたアクリ社の田辺裕社長は、森まさこ消費者相から問題公表に時間がかかった経緯などをただされた。

 群馬県警は流通食品毒物混入防止法違反罪の適用を視野に捜査を始めた。一躍その名が広まった害虫駆除剤「マラチオン」は法律上の「毒物」ではないが、事実上健康被害を生じさせるため「毒物」に認定できる見込みだ。

 農薬混入が発覚するまでに時間がかかったことに、田辺社長は「農薬だと思わなかった。対応が遅れた。消費者の皆さまには大変ご心配をおかけし、申し訳ございません」と謝罪した。組織体質に問題はあるが、操業停止となっただけに被害者としての一面もある。

 食品の包装に穴が開いていないことや、コロッケの衣から残留農薬基準(0・01ppm)の260万倍の濃度の農薬が検出されており、この日、工場で使っている複数の従業員の作業靴に農薬が付着していたことも新たに明らかになった。一部報道によると、農薬の成分からマラチオンが検出された。県警は内部関係者による犯行の可能性が最も高いとみている。

 誰もが気になるのが「どんな人間が、なぜやったか」だろう。

 犯行動機としてまず考えられるのが、会社にダメージを与えることだ。犯罪ジャーナリストの北芝健氏は「包装室で働いていた約80人の中に疑わしい人間がいるのは間違いない。社会への劣等感やいら立ち、待遇への不満があったことはまず想像がつく」と話す。

 犯人側からみれば、社会を脅かし、会社にダメージを与えることに成功した。「いつ辞めてもいいと思っていたはず。職を失うリスクはそもそも考えてなかっただろう」と北芝氏はみる。

 一方でささやかれているのが外国人の関与だ。工作員などが、日本にダメージを与える魂胆で行ったテロとの説だ。工場のある地域は中国人や南米系の外国人が多く生活している。同工場の従業員に外国人がいたかどうか、アクリ社側は公表していないが、もしも同社に日本社会への反感を抱く外国人がいたら…と仮定すると、気になるところだ。

 また、実行犯でなくても、裏で外国人が手を引いている可能性もある。

 北芝氏は「外国の工作員が日本人従業員に金を渡してやらせたのかもしれない。工場の賃金は決して多くないでしょうから、お金に困っている人が従ってしまう可能性は消せない」とも語る。

 日本人の食生活を脅かすだけでなく、中国などと比べ安全だったはずの“日本の食ブランド”の信用も失墜しかねない。それが、外国の思惑によるテロならば、国家的危機とも言える。

「日本をやっかんでる国は多いですからね。今回、喜んでいるのは外国ですよね。日本にとってはミサイルを撃ち込まれるより、打撃の大きいテロですよ」(北芝氏)

 いまだ解決の糸口も見えない事件だが、一刻も早い真相究明が望まれる。