生後2か月の長男に他人の血液注入容疑で母親逮捕 「注目して」症候群だった?

2020年09月09日 11時30分

 生後2か月の長男の口に何者かの血液を含ませ、嘔吐させたとして、大阪府警は8日までに、傷害の疑いで母親の井田莉歩容疑者(23)を逮捕した。同容疑者は「血液を注入するようなことはしていません」と否認している。逮捕容疑は2月中旬と3月上旬、大阪市内の病院で、入院中の長男の口に誰のものか分からない血液を含ませ、吐かせた疑い。長男は児童相談所に保護された後、別の病院に移ったが、命に別条はない。

 捜査1課によると、長男は1月に発熱で入院した後、20回以上血を吐く症状があり、井田容疑者が看護師に伝えていた。嘔吐が確認された際、長男のそばには井田容疑者しかおらず、病気による症状でもなかったため、府警は虐待の可能性が高いとみている。

 井田容疑者の夫(31)は自宅で取材に応じ「不妊治療を経てやっと得た第2子。病室はカメラでずっと記録されていたはずで、妻の無実が証明されると信じています」と話した。

 児童虐待に詳しい専門家は、病気にした子供を看病する自分に注目を集めようとする「代理ミュンヒハウゼン症候群」の可能性を指摘している。

 近年、増加傾向にあり、米国では2015年、多くの難病を患う娘を献身的に看病していた母親が刺殺される事件が起きた。犯人はなんと、娘とその恋人。実は娘は健康で、幼少期から母親が病気であるように洗脳していた。母親は代理ミュンヒハウゼン症候群だったとみられている。日本でも16年、1歳の長女にインスリンを投与して低血糖状態にさせた母親が逮捕された。長女に持病はなく、母親は子供への愛情をアピールしていたが、裁判では献身的な母親と見られることに心地良さを感じたと語っている。

 今回は長男が生後2か月とあって、医療関係に詳しい専門家は、井田容疑者が周産期うつ病だった可能性も指摘する。

「周りからフォローされず追い詰められ、気付いてほしいがために、子供を病気にすることで訴えていたのかもしれない。今回は周りが気付いてあげられましたが、サポート態勢を築くことは社会全体の課題です」

 現代社会が抱える問題は決して少なくない。