全国の自治体、学校に爆破予告 犯人像を追う!

2020年08月26日 11時00分

 ここ数日、爆破予告メールが全国の自治体や大学に相次いで届いている。各県警が警戒に当たるも現場では不審物などは発見されず、同一人物による犯行も視野に捜査を進めている。一体誰が何のために爆破予告をしたのか? 臨床心理士で心理カウンセラーの溝渕由理氏は「新型コロナウイルスによるストレスが関係しているのでは」と指摘する。

 直近で爆破騒ぎの標的となったのは、荒川を隔てて東京都と接する埼玉県の戸田市だ。

 小中学校の爆破や子供への加害を予告するメールが届いたため、予告日の9月1日、全小中学校の児童と生徒を午前中に帰宅させると25日に発表した。市のウェブサイトにメールが届いたのは24日のこと。「9月1日正午に市役所と市立戸田第一小を爆破する」「1日午後に児童にフッ化水素酸を浴びせる」などと記されており、市立中の水道水へのウイルス混入や駅周辺でのサリン散布を予告する内容もあったという。

 茨城県鹿嶋市は複数日の犯行予告を受けた。24日の発表によると、市ホームページのご意見メールで22日、「8月25日午後2時半に鹿嶋市役所を爆破する。8月26日正午に市役所2階女子トイレに仕掛けた時限爆弾を作動させる」という一文を受信。「爆破後に駐車場側から拳銃を持った仲間が庁舎内めがけて乱射する」とも記されていた。市では予告日の25日午後1時~5時15分と、26日午前11時~午後2時に市役所本庁舎などの臨時閉庁を決定した。

 爆破予告は他の自治体にも届いている。21日には、岡山県和気町のホームページに「25日午前9時半に町役場駐車場で時限爆弾を爆発させる。軽トラックに積んだ時限爆弾を爆発させる。ビットコインを送金しろ」とのメールが届いた。同町は25日午後1時まで本庁舎を臨時閉庁し、庁舎内周辺を調べたが、不審物は発見されなかった。

 さらに埼玉県加須市と川越市、千葉県柏市と君津市、栃木県佐野市にも届いている。佐野市に対しては「26日正午に庁舎を爆破、拳銃を乱射し職員、住民を殺害する」との予告だった。

 大学にも届いている。立命館大には「8月26日12時7分に京都市内にある立命館大学など複数の教育機関を爆破する」とのメールが22日に届き、26日は市内の朱雀・衣笠の両キャンパスと立命館小を閉鎖した。

 25日を予告したメールは大阪大、関西大、関西学院大、26日を予告した同様の爆破予告のメールは龍谷大や京都産業大、京都橘大にも届いた。関西大は別の予告も受けていた。先月末には大阪教育大、立命館大、同志社大などに爆破予告があった。

 ネット上には東京工業大学に対して「8月24日12時8分に主要建造物を爆破する」との投稿があり、同大は24日の授業を休講にするなど対応。不審物の点検を行ったが、予告時間に不審な出来事は発生しなかった。

 爆弾などの不審物はいずれも発見されておらず、各警察は威力業務妨害容疑を視野に捜査中だ。

 一連の予告行為の背景について、臨床心理士で心理カウンセラーの溝渕由理氏は「日常の中にある不安、不満、ストレスなどが、コロナに伴う自粛生活や給料の減少などがきっかけで、日常よりも増幅し、犯行に及んだ可能性も考えられる」と指摘。

 自治体や大学では、利用者や学生に大きな影響が出ているが「人が困っているのを見て楽しみ、自分の中の悶々としたものを発散している。人々が恐れる、慌てる、びっくりするといった他者の不幸を楽しむ愉快犯ではないか。そんなことをしても何の解決にもならない」(同)。

 爆破などの被害は出ていないが、イタズラだとしても立派な犯罪だ。