〝妊婦腹蹴り男〟の異常すぎる心の闇 専門家「DV男と一緒」

2020年06月25日 05時42分

 〝人でなし行為〟をした男の精神状態とは――。

 路上で妊娠中の女性の腹を蹴ったとして札幌市の51歳の男が逮捕された。ネット上では、この男に対する批判が殺到している。

 札幌・南署は24日までに、中央区の路上で20代の妊娠中の女性の腹を蹴ったとして、同区の無職、金子芳幸容疑者を暴行容疑で逮捕した。

 金子容疑者は4月13日午前7時半ごろ、同区の路上で、長女(7)と長男(5)を連れて前を歩いていた妊娠7か月の女性に「邪魔だ。どけ」と言い、女性の腹を右足で1回蹴るという暴行に及んだ疑いが持たれている。署は防犯カメラなどから金子容疑者を特定し、23日に逮捕した。

 取り調べに対し金子容疑者は「生意気なことを言い返してきた。腹が出ていて蹴りやすいので蹴った」などと供述し、容疑を認めている。

 女性が返した言葉は「何ですか、その言い方」だった。

 妊娠中の女性の体は、胎児の成長とともに負担が大きくなる。蹴るなどの衝撃が加われば、最悪の場合は母子ともに死に至る可能性もある。

 臨床心理士の福田由紀子氏は金子容疑者の犯行を「妊婦のおなかを蹴るということの意味は、社会人なら分かるはず。しかも『邪魔だ。どけ』って普通に失礼ですよね。人の目もある路上で暴行したことについては、理性が吹き飛んでしまっているように感じる」と指摘する。

 許されざる暴行を犯した金子容疑者について、福田氏はこう分析する。

「ミソジニー(女性や女性らしさに対する嫌悪や軽視)や、マンスプレイニング(男性が女性を見下したり偉そうに説教したりすること)などという言葉があります。金子容疑者には、そのような年配男性の特権意識みたいなものと、女性嫌悪のようなものが両方あるのではないでしょうか」

 こうした行動は〝DV男〟にも共通しているという。

「生意気なことを言い返してきたから暴行したということなら『お前の態度が俺を怒らせたんだ』というように、自分の行動を相手に責任転換している。これはDV男と一緒です」

 また、同事件が新型コロナウイルスによる自粛期間のさなかである4月に起きたことにも着目。

「緊急事態宣言下で外出自粛や営業自粛に応じない人に対して私的な取り締まりを行う一般市民を指す『自粛ポリス』が話題になりました。実際に、私の周りでも子供を連れてスーパーで買い物していたら、年配の方に怒られたという声が複数ありました。金子容疑者はコロナ禍で自分のストレスを、自分より弱い女性にぶつけていたのかもしれない」と話す。

 妊婦の腹を蹴っていいのはおなかの中の胎児だけだ。