「49日間逃走男」詳細分からぬまま懲役18年求刑

2020年06月23日 20時03分

 逃走中の様子は分からずじまい…。2018年、留置先の大阪府警富田林署で接見室のアクリル板を壊して逃走し、加重逃走や窃盗などの罪に問われた無職樋田淳也被告(32)の論告求刑公判が23日、大阪地裁堺支部(安永武央裁判長)で開かれた。検察側は懲役18年を求刑し、結審した。

 加重逃走や逃走中の窃盗のほかに、逃走前に起訴されていた住居侵入や強制性交、窃盗など21件の罪に問われた樋田被告だが、堺支部はうち18件について裁判官だけで区分審理。5月の部分判決で加重逃走など17件を有罪とした。強盗致傷罪など残りの3件が裁判員裁判で審理されていた。

 富田林署から逃走後、自転車ツーリストを装い、万引きや野宿を繰り返しながら、49日間逃げ続け、山口県内の道の駅で逮捕された樋田容疑者。窃盗や強制性交で逮捕されていた凶悪犯の逃走とあって、失態を演じた大阪府警は3000人の捜査員を投入した。

 女装して逃げている可能性が指摘されるなど、裁判ではその逃避行の中身に注目が集まったが、樋田被告は逃走の際に使用した自転車、食料品や電気シェーバーなどの窃盗罪について「間違いありません」とあっさり認めたため、アクリル板の損壊や、逃走前に起こした強制性交や窃盗が争点となった。

 ある傍聴人は「アクリル板は『知らない人が入ってきて、気がついたら外れてた』、強制性交や窃盗については『ヨダソウマの仕業』と、法廷でまったく真実を話そうとしていない。ヨダソウマって逆から読めば『ま、うそだよ』。なめてるんですよ。逃走中の心境を語ることもなかったし、モヤモヤする裁判でした」と話した。

 数々の裁判を傍聴し、「つけびの村」などの著書で知られるフリーライターの高橋ユキ氏も「樋田被告と面会や手紙のやりとりを行ってきましたが、逃走時の話題になると『やっぱりその話なんですか…』とすごく嫌がってましたね」と明かした。判決は7月3日に言い渡される。