【筑波大生不明事件】セペダ容疑者を仏に引き渡し決定も…捜査は難航

2020年05月20日 16時15分

 自供、直接証拠なしで追い詰められるか。

 2016年にフランス東部ブザンソンで、筑波大生の黒崎愛海さん(21=当時)が失踪した事件でチリ最高裁が18日、元交際相手のチリ人、ニコラス・セペダ・コントレラス容疑者(29)のフランスへの身柄引き渡しを認める最終決定を下した。

 事件は同年12月4日に起きた。2人はブザンソン市内で夕食を共にし、黒崎さんが住んでいた学生寮に戻った後、行方不明となった。フランス検察当局は事件の3日後、チリに帰国したセペダ容疑者を殺人容疑で国際指名手配していた。

「2人は14年、日本の筑波大学で知り合い、交際をスタート。黒崎さんは16年9月にフランスに留学したが、その前に2人は破局していたこともフランス捜査当局は把握している。セペダ容疑者が現地で使用したレンタカーのGPS情報などが判明したが、事件から約2年間行われた捜索でも成果はなかった」(海外メディア関係者)

 新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、身柄引き渡しの日程は決まっていないが、身柄がフランスに渡れば本格的な取り調べが始まる。だが、事件解決を阻む要素が数多いのも事実だ。

「セペダ容疑者は裕福な家庭で育ち、名門チリ大学で研究助手をしていたインテリ。裕福なボンボンが国をまたいだストーカー行為の末に犯した事件とみられる。本人は一貫して否認しており、チリでも弁護士が『殺人があった証拠はなく、自殺か事故の可能性もある』と徹底抗戦した。フランスに送られても否認を続けるだろう」(同)

 一方、フランス当局は状況証拠を積み上げてきた。セペダ容疑者が事件直後にスペイン・バルセロナに寄り、現地在住のいとこの医師に「人は首を絞められて死ぬまでにどれくらい時間がかかるのか」を入念に聞いていたことが判明。

 さらに黒崎さんの家族には失踪後、黒崎さんから「電車で旅に出る」とLINEで連絡が届いていたが、その前に同容疑者が日本の友人に英文の和訳を依頼していたため、偽装工作とみている。

 フランス当局の徹底追及で結果が出るか。