東京五輪がサリンテロの標的に?

2013年09月22日 11時00分

 シリアの首都ダマスカス近郊で8月21日に使われた化学兵器がサリンだったことが国連の調査報告書で判明し、国際社会に波紋が広がっている。シリアのアサド大統領(48)は化学兵器を国際管理下に置く化学兵器禁止条約への加盟を表明したが、サリンを含む1000トンにも上るとみられる化学兵器が周辺国やテロ組織に横流しや略奪される事態が懸念されている。2020年の東京五輪がターゲットにされる危険性もあるという。

 シリアの化学兵器使用疑惑で国連調査団は「サリンを搭載した地対空ミサイルが使用された」と断言。アサド政権か反政府軍のどちらが使用したかについては判明していないが、日本のオウム真理教事件や、1988年にイラクのフセイン政権がクルド人虐殺時に使用したサリンよりも高品質とされた。

「サリン製造自体はオウム真理教が造ったように決して難しいものではないが、地下鉄サリン事件以降、原材料に規制が入って、素人が製造できるものではなくなった。さらに不純物が混じっていないということは国家レベルで製造されたことを裏付ける」というのは軍事評論家の神浦元彰氏だ。

 シリア政府はサリンのほかにVXガス、マスタードガスなどの化学兵器を保有しているとみられ、タイミングを前後して、アサド大統領は化学兵器禁止条約への加入書を国連に提出。今後は国連の査察を受け、化学兵器の保有数や製造・保管場所などを報告し、国外へ移動・廃棄する流れとなる。