まるでヤミ金「給与ファクタリング」年利1000%以上の手数料も

2020年05月14日 16時00分

 困ったからといって絶対に手を出してはいけない。

「給料の前借りサービス」などをうたい、給与を債権として買い取り、代わりに現金を渡す「給与ファクタリング」が、実質的には貸金業に当たり、契約は無効だとして、5都県の男女9人が13日、東京の業者「ZERUTA」を相手取り、総額430万円の返還を求めて東京地裁に提訴した。

 給与ファクタリングの仕組みは、利用者が勤務先から受け取る予定の給与を業者が債権として買い取り、手数料を引いた現金を利用者に提供。給料日以降に、債権を利用者から回収するもの。

「ファクタリングは本来、中小企業が売掛債権を売却し、当座の資金を調達する手法だったが、個人向けになったのが給与ファクタリング。業者側は貸金業の届けがいらず、利用者はブラックリストの個人でも借金できると、この数年で増えていた。貸金業ではないので利息制限がなく、10万円借りる契約でも手数料を引かれ、8万円しか受け取れないのに、翌月の給料で10万円払わなくてはならないなど実質的には高金利なのが問題視されていた」(司法関係者)

 年利換算で1000%以上の手数料を取られていたケースもあったという。会見した原告の埼玉県の50代男性の場合、消費者金融からの借り入れができず、業者と契約。

「給料の70万円を債権化し、16万5000円の手数料が引かれ、53万5000円を受け取ったが、最終的には10社と契約し、給料のほとんどが消えるようになっていた」と振り返った。

 金融庁はこうした経緯から、被害対策弁護団に対し、今年3月「金銭の貸し付けに該当する。実質的にはヤミ金融業に当たる」と見解を示したという。弁護団は「新型コロナで収入が減少したり、休業手当が払われなかったり、生活が困難な人が増えているが、こうした業者に手を出したらいっそう追い込まれて生活が破綻するのは間違いない」と注意を呼びかけている。