被害総額100億円・悪質キャッシュレス会社の実態 コロナ禍に乗じてさらに悪巧み

2020年04月18日 16時00分

問題となっている「ニッポンプラットフォーム」社のキャッシュレス決済用タブレット端末

 新型コロナウイルス禍の影響はあらゆる業種に及んでいるが、コロナ以前から問題になっていた悪質キャッシュレス会社の実態が判明した。被害額は100億円超ともいわれ、未払い金を抱えた契約店や仲介業者らは回収へ向け、被害者組織の結成に動いている。16日からこの会社の端末を使った決済はできなくなったが、会社側はコロナの影響による業務停止を理由に店舗側の解約を拒否したり、未払い金を株で弁済しようとしたり。被害者の悲痛な声を聞いた。

 問題視される会社は2018年に米アマゾン・ドット・コムの電子マネー「アマゾン・ペイ」が日本に進出した際、パートナー企業となった「ニッポンプラットフォーム」(以下、NP社)。

 同社の決済用端末「ニッポンタブレット」は約11万店に設置され、利用客はアマゾン・ペイやドコモの「d払い」などで支払いができた。だが、3月24日、アマゾンはNP社の端末を通じた決済システムを停止。さらに、ドコモも今月16日以降の同決済を停止すると契約店に通知。15日にはNP社から「4月16日から端末決済は使用できなくなりました」と一方的なメールが届いたという。

 契約店主は「無料でタブレット端末をもらえて、d払いができるというので契約し、昨年9月に端末が届きましたが、売り上げの振り込みが翌10月15日の予定だったのに入ってこなかったので、11月から使うのをやめた。被害額は1万円未満で済んでますが、アマゾンやドコモの名前で信用させて未払いを続けているのは悪質」と激怒する。

 こうした契約店への未払いの総額は60億円ともみられ、さらには、間に入っている業者も損害を被っているという。

 販売代理店の男性は「NP社は販売代理店と、端末を貸し出し手数料の一部をもらえる端末オーナーと契約し、設置店を増やしていった。その代理店の方が私で、1台設置すると1万5000円がもらえる契約でしたが、いまだに昨年11月末に振り込み予定だった報酬360万円がもらえていない」と憤る。

 店舗、代理店、端末オーナーらの契約相手はNP社の子会社「ニッポンタブレット」(以下、NT社)だった。代理店男性の元には昨年10月末、NT社から「悪質な営業の代理店が多いことがわかったので営業を停止してください」とのメールがあり、業務はストップ。未払いに業を煮やした代理店男性は今年1月、NP社のT社長(当時)と都内で会った。

 そこでT社長は「みなさんの悪質な営業がわかったのでNT社は破綻する。未払い金は払えないが、NP社の株を1株6000円で与えられるようにする。来年には上場させるのでその時にあなたは売ればいい。その手続きのために債権を放棄し、任意組合に加入してほしい」と伝えられた。当然、男性は承服せず、債権の返済を求める内容証明を送った。

 T社長の説明によると「未払い金は代理店が119社で2億円、端末オーナーが1300人で25億円」というが、実際はさらに多いとみられる。

 被害者らは有志の組織を結成し、未払い金総額100億円超の回収に動きだしているが、裁判になる可能性が高い。

 唯一の救いは「d払い」の売り上げについて、ドコモから契約店に「3月15日以降の決済についてはドコモから直接支払う。それ以前のものはNP社にすでに支払っているが、店舗に迷惑がかからないように対応したい」と連絡があったこと。店舗側の被害の救済にドコモが乗り出すという。

 NP社側のずる賢さが際立つが、コロナ禍でさらに「契約店は端末の保証金として月300円を支払わされていたので、解約しようとしたら『コロナの影響で7月まで業務停止のためできない』と回答があった」(契約店関係者)とも。

 本紙も電話やメールでNP社に連絡したが、返信はなかった。コロナ禍に乗じて、解決を先延ばしにする魂胆のようだ。