和歌山毒物カレー事件の再審請求棄却も 林死刑囚の長男明かした特別抗告への秘策

2020年03月26日 16時00分

林真須美死刑囚

 1998年7月に発生した和歌山毒物カレー事件で、死刑判決が確定している林真須美死刑囚(58)の再審請求が、大阪高裁に棄却されたことに、林死刑囚の長男が「納得できない」と憤った。

 事件は和歌山市園部の夏祭りで提供されたカレーを食べた67人が食中毒を起こし、4人が死亡。カレーにはヒ素が混入されており、林死刑囚が逮捕され、2009年に死刑判決が確定した。

 林死刑囚は裁判のやり直しを求めて和歌山地裁に再審請求をしたが、17年に棄却。大阪高裁に即時抗告していた。

 林死刑囚の弁護団は、祭り会場で見つかった紙コップのヒ素と林死刑囚の自宅で見つかったヒ素が違うものだという新鑑定があると訴えていた。

 しかし、樋口裕晃裁判長は「自宅にあったヒ素が犯行に使われたという鑑定結果の推認力が新証拠によって弱まった」としながらも、林死刑囚が犯人であることに「合理的疑いが生じる余地はない」と再審を認めなかった。弁護団は最高裁に特別抗告する方針だ。

 林死刑囚の長男は、本紙の取材に「3年前に和歌山地裁で再審請求が棄却された時と裁判所の答えが変化していない。回りくどい言い方で家族としては納得できない。もう少し分かりやすい内容を期待していた」と憤った。

 だが、特別抗告に向けて秘策があるという。

「今、ヒ素鑑定について民事で争っています。まずはその結果です。もう一つは詳細はまだ言えないですが、弁護団に考えがあるといいます」

 民事で死刑判決に使われたヒ素鑑定が間違いであると認められれば、再審請求に与える影響は大きい。もう一つの秘策も別の証拠に関するものだという。

「鑑定結果の推認力が弱まっているというなら、もう一度裁判してほしい。最後まで見届けたいです」と長男。すっきりする答えは出てくるのか。