犯罪心理学専門の大学准教授「妻殺害」が関係者に波紋

2020年03月18日 16時17分

 犯罪の専門家だった夫婦に何があったのか。

 さいたま市浦和区のさいたま地裁前で16日、さいたま少年鑑別所職員の浅野法代さん(53)が刺され、死亡した事件で、現行犯逮捕された夫の浅野正容疑者(51)が、文教大学で犯罪心理学を教える准教授だったことから関係者に波紋が広がっている。

 正容疑者は16日午後6時ごろ、法代さんが自転車で買い物に行くのを待ち伏せ、背後から自転車を引き倒し、法代さんに馬乗りになって用意した包丁で胸などを複数回刺した。現場で殺人未遂容疑の現行犯で逮捕された正容疑者は、調べに対し「刺したことは間違いない」と供述。2人は別居中だったという。

 文教大は17日、学長らが会見し「温厚で物静かなタイプで、前向きに研究を進めていたので驚いている」「学生たちからも『いい先生』という声もあった」と話したが、事件につながるような様子はなかったという。

 正容疑者が理事を務めていた埼玉犯罪被害者援助センターの関係者も「ボランティアの理事として2008年から支援してもらっていましたが、誠実でおとなしい方だったので事件は残念。驚いている。家庭のことは分からない」と語った。

 正容疑者は一橋大、横浜国立大、米国南イリノイ大大学院を経て、各地の少年鑑別所、刑務所に専門官として計12年間勤務。07年に文教大人間科学部教員となり、15年に臨床心理学科の准教授に昇進していた。

「奥さんとは鑑別所で知り合い結婚したようだ。子供は3人。現場近くの法務省官舎で5人暮らしだったが、最近になって正容疑者だけが家を出て別居していた。家族によると、数年前から夫婦仲が悪くなり、口論が絶えなかったそうだ。強い殺意を持つまでになった具体的な動機について、正容疑者は『言いたくない』と拒絶している」(捜査関係者)

 死亡した法代さんについて鑑別所は「少年たちのお母さん的な役割も担っていた。優秀な職員でした」としのんだ。