【和歌山毒物カレー事件】真須美死刑囚の長男が明かす地元の2つの未解決事件と母の拘置所生活

2020年01月31日 11時00分

真須美死刑囚が長男に送った大阪拘置所の月間献立表

 発生から22年目を迎えている和歌山毒物カレー事件では、本紙昨報のように注目の民事裁判が31日に大阪地裁で行われる。未解決事件を追う作家の山口敏太郎氏と林真須美死刑囚の長男(32)の対談後編では、長男の半生とオカルトチックな話、そして真須美死刑囚の様子などが明らかになった。

 山口敏太郎氏(以下、山口):事件を受けてご家族は大変な思いをしたのでは?

 長男:偏見や差別がありました。あだ名がポイズンだったり、(両親が犯罪者の)サラブレッドだったり。日常的に暴力を受けていました。

 山口:親と子は別人格なんですがね。

 長男:飲食店でアルバイトをしていたときに素性がバレて店の人に「衛生的によくないな」と言われ解雇になったこともあります。

 山口:ひどいな。

 長男:いろいろありましたが、和歌山から離れて林の名前を捨ててしまうと、まるで母の罪を認めて逃げたとみられてしまう。だから今でも和歌山に住んでいるんです。

 山口:ヒ素鑑定の話を大きなメディアは扱ってくれないの?

 長男:大きいメディアは僕のいじめられた過去にスポットを当ててしまう。冤罪説や弁護団の主張はカットされてしまうのです。犯罪加害者家族はこんなにつらいんですよと。テレビの人はもっとつらいエピソードをくれって言うんです。

 山口:お涙頂戴のストーリーを作りたいのですね。そういえばツイッターを開設してますよね。

 長男:お涙頂戴が続いていた時にネットを見ると「なに被害者ヅラしてるんだ」と。伝えたいのはそこじゃないのになと思っていた。あるとき取材に来た方が、自分から発信するツールを持つといいよとアドバイスをくれました。

 山口:地元の方からの情報だと、カレー事件の前に新聞配達中の女子高生が刺殺された事件があったそうですね。

 長男:はい。あと僕たちが園部(注)に引っ越してくる前に、犬が毒殺されたこともあったといいます。これらは未解決なんですよ。

 山口:考えれば考えるほどおかしい。

 長男:オカルトじみた話もあって、園部の家は鬼門があったのですが、父は「植木屋さんが鬼門を触ったからこんなことになった」といまだに言っています。

 山口:一流建築士でも鬼門を気にします。お父さんが言うこともあるかも。お母さんとは会っているのですか?

 長男:月一で大阪拘置所に会いに行きます。そこには籠池夫妻がいたことがあって、母は先輩として奥さんの方にカルピスを差し入れたそうです。文通もしていたみたい。隣には筧千佐子さんという後妻業で捕まった人がいて、ずっと歌っていてうるさいと言ってました。

【注】和歌山毒物カレー事件は1998年7月25日、和歌山市園部で行われた夏祭りで振る舞われたカレー鍋にヒ素が混入され、67人が中毒症状を起こし4人が死亡した事件。

 同年、殺人および同未遂などの容疑で逮捕された林真須美死刑囚は無実を主張するも、2009年に最高裁で死刑が確定した。

 同年に和歌山地裁に再審請求。17年に棄却。大阪高裁に即時抗告している。

 当サイトは1月30日の昨報(前編)で、事件に対する長男の不可解な思いなどを伝えた。真須美死刑囚の有罪に大きな影響を与えたヒ素の鑑定を巡る民事裁判が31日に大阪地裁で行われる。