覚醒剤密輸の最新巧妙手口は「練り込み式」

2020年01月28日 16時00分

 覚醒剤密輸の最新巧妙手口は「練り込み式」だという。警視庁組織犯罪対策5課と静岡県警がこのほど摘発したのは、机の天板部分に覚醒剤を練り込み、アラブ首長国連邦(UAE)から日本に密輸しようとしたケースだった。

 麻薬特例法違反容疑で現行犯逮捕されたのは、静岡県三島市の指定暴力団、極東会系組員の山崎大揮容疑者(32)。昨年12月23日、ドバイから羽田空港に運ばれた荷物は机が2台。エックス線検査をすり抜け、発送を前に今月17日に東京税関が検査をした際、机の天板と脚を留めるネジ部分に粉末が付着していたため、調べると覚醒剤反応が出た。木目模様がある重さ各200キロの天板を調べると、覚醒剤が練り込まれていたという。

 組対5課は、天板を別のものと入れ替え、配送する泳がせ捜査(コントロールド・デリバリー)の末、静岡・富士市の倉庫に運び込まれたのを確認。倉庫を所有する貨物運送会社役員、勝又護容疑者(32)も逮捕した。

 同様の手口は昨年6月、名古屋税関でも発見された。トルコからの郵便物から見つかったのは、女性用のハイヒールサンダル。かかと部分のプラスチック樹脂部分を分解すると、覚醒剤130グラムが検出された。

 こうした練り込み式の密輸が最新手口だというのは捜査関係者だ。

「他にもスーツケースの内側に覚醒剤を練り込んだ塗料でコーティングするケースもある。いずれも密輸した後、特殊な薬品を使って覚醒剤を抽出する。空港ではエックス線はすり抜けるが、覚醒剤を練り込むと異常に重たくなる特徴があるので、税関職員は重量に警戒するしかないともいわれています」

 背景には、日本への密輸が世界一もうかるという事情がある。

「日本国内の覚醒剤の末端価格は現在1グラム=6万円。韓国は同3万円、英国、ドイツ、台湾は同1万円、中国は同6000円。海外の密売人が一獲千金を求めて日本に密輸するのも分かるでしょう」と事情通はみている。