【相模原・45人殺傷事件】植松被告に無期懲役の可能性?最近の法曹界の気になる流れ

2020年01月28日 16時15分

 神奈川県相模原市で2016年7月に起きた知的障害者施設「津久井やまゆり園」で45人が殺傷された事件で、殺人罪などに問われている元職員の植松聖被告(29)の裁判員裁判が27日に横浜地裁(青沼潔裁判長)で開かれ、弁護側と検察側の主張が真っ向から対立した。

 被告人質問は弁護側が前回の続きを行い、本紙が指摘したように植松被告に好き勝手に語らせて、精神状態に問題があることを明らかにする手法を続けた。

 植松被告は前回のイルミナティカード(カードゲーム)の話に加えて、同じく都市伝説で有名なタイムトラベラー、ジョン・タイターの名前を出して、関東が立ち入り禁止になると訴えた。

 一方、検察側は植松被告の計画性を指摘。事件当日は職員の少ない夜勤帯を狙い、しかも、女性職員のいる棟から侵入する慎重さ。犯行については、ほぼ事前に想定した通りにできたと言い、事件後の自首も「潔さ」を演出するためのものだった。計画的ゆえに精神障害による影響はないと立証する狙いだ。

 双方の主張を裁判員たちがどう判断するかだが、19人が殺害されただけに極刑も十分ある。もっとも最近の法曹界では、ある流れがみられるという。

「裁判員裁判で死刑になっても二審で無期懲役になるケースが相次いでいます。埼玉・熊谷で6人を殺害した男への死刑判決が、昨年12月の高裁で心神耗弱が認定され無期懲役になりました」(裁判ウオッチャー)

 27日には兵庫県洲本市で5人を刺殺した殺人罪に問われ一審で死刑判決だった平野達彦被告に、大阪高裁が無期懲役を言い渡している。一審では計画性があるとして完全責任能力を認めていたが、心神耗弱状態と認定され減刑となったのだ。

 植松被告も似ている。計画性はあるが、これまでに「大麻精神病」や「自己愛性パーソナリティー障害」と診断されている。植松被告は「控訴はしない」意向を持っているというが、初公判で自傷パフォーマンスをするような予測不能な人物。一審で終わらなくても不思議ではない。