トンデモ議論は弁護団の戦略通り?植松被告の「大麻解禁論」「イルミナティ」

2020年01月25日 16時00分

 弁護団の狙い通りだったら驚きである。2016年7月に神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で45人が殺傷された事件で、殺人罪に問われている元職員の植松聖被告(29)の裁判員裁判が横浜地裁(青沼潔裁判長)で行われ、被告人質問でトンデモ議論が交わされた。

 公判は弁護側の質問でスタート。弁護団は心神喪失による無罪を主張しているが、それについて植松被告に確認すると、「自分は責任能力で争うのは間違っていると思う。責任能力がなければ死刑にすべき。自分は責任能力があると考えてます」と言い切った。

 ここから弁護側は植松被告に言いたいことを言わせる戦略を取った。被告は安楽死と大麻について「名前、年齢、住所を言えない人間は安楽死させるべき」「大麻は嗜好品として使用、栽培を認めるべき」などと解禁論を熱弁。大麻を使用すると「体が超回復」し「脳が膨らむ」という。

 また、大麻使用で病気が治るため「薬が売れなくなるから」という理由で国が禁止にしていると指摘した。弁護側が「私も使った方がいい?」と聞くと「(使わないのは)もったいないと思います」とうなずいた。

 一方で「イルミナティ」というカードゲームにも言及。このカードには真実が予言されていると主張し「ケチャップは野菜だ」「日本は滅びる」などが書かれていたという。日本が滅びないために被告は「社会に貢献しようと思った。重度障害者を殺そうと思った」と言う。

 ご存じの方もいるだろうが、このカードゲームの“予言”は都市伝説として有名。植松被告はこれらの都市伝説を本気で信じているように話した。

 この日のトンデモやりとりに、被害者家族で実名を明かしている尾野剛志さんは「この人、普通じゃない」と感じたという。まさに弁護団が主張したい“大麻でおかしくなっちゃった人”という印象なのだ。真摯に事件に向き合った発言が聞かれる日は来るのだろうか。