逃亡ゴーン被告 正当化のため被害者アピール

2020年01月20日 16時10分

ゴーン被告(右)とキャロル容疑者(ロイター)

 前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告(65)が都合のいいように情報を出している。

 レバノンへの逃亡を決意したのは「裁判官から会社法違反事件の審理開始が遅くなると聞いたためだ」と、元検事の郷原信郎弁護士に語ったことが19日、分かった。テレビ電話で被告と直接やりとりした郷原氏が、共同通信に明らかにした。

 関係者によると、東京地裁は金融商品取引法違反事件の審理を4月に始める方針だったが、会社法違反事件の日程は見通しが立っていなかった。

 郷原氏によると、ゴーン被告は会社法違反事件の審理開始が2021年か22年になると聞いて「絶望した」と説明。偽証容疑で逮捕状が出ている妻キャロル・ナハス容疑者(53)との接触を禁じた保釈条件が少なくとも審理開始まで続くと言われ、逃亡を決めた。失敗のリスクもありながら逃亡したのは「公正な裁判を受けられるとは思えなかったからだ」という。

 今後もゴーン被告は逃亡を正当化するため、被害者アピールを続けるだろう。警鐘作家の濱野成秋氏はこう語る。

「ゴーンは記者会見で日本の拘置状況からして、極めて残忍で冷酷無比な非人間的な司法制度だと言い放った。つまり野蛮な劣等国だと侮辱し、世界中に日本の印象を悪くでっち上げた。起訴した検察が世界に向け、ゴーンの大金略奪とロンダリングのダーティー手法を事実として詳しく世界中に説明する必要がある」

 実際、諸外国では、ゴーン被告の罪状に関心が薄く、妻と切り離された“被害者”として同情の声もある。

 濱野氏は「検察は正当性の周知に努めねば、日本の印象は下落の一途をたどるはず。日本を、正直者がバカを見るというディストピアにしないためにも、再度、動かぬ証拠を示して一気呵成に攻め続けよと進言したい」と指摘している。