IR疑獄の背景に中国のワイロ文化 再逮捕・決定権ない秋元議員に700万円以上なぜ

2020年01月16日 16時00分

 IR参入は最初から無理だった!? 日本でのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)をめぐる汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者(48=顔写真)が東京地検特捜部に新たな収賄容疑で再逮捕され、東京地裁は15日、勾留を24日まで認める決定をした。中国企業「500ドットコム」から現金200万円と500社本社のある中国・深セン市への旅費約150万円相当を供与されたという疑いだ。決定権のない秋元容疑者に現金が手渡された背景には、中国の賄賂文化があるという。

 すでに昨年末に秋元容疑者は500社から現金300万円を受け取り、北海道への家族旅行代約70万円を負担させた疑いで逮捕されていた。これで約700万円以上の利益供与を受けていたことになる。

 また、秋元容疑者側が、500社側から受け取った中国旅費の架空の領収書は、すでに収賄罪で起訴された元政策秘書豊嶋晃弘被告(41)がメールで発行を依頼した疑いのあることが15日、分かった。

 東京地検特捜部もメールの内容を把握。中国旅行に同行するなど、賄賂受領に深く関与したとみて、秋元容疑者の再逮捕容疑についても、豊嶋被告を共犯として立件する方向で捜査している。

 関係者によると、豊嶋被告は旅行後、500社元顧問で贈賄容疑で再逮捕された紺野昌彦容疑者(48)に、メールで日付や金額を指定した架空の領収書の発行を依頼。紺野容疑者から2枚の領収書が送られたという。ほかに、札幌市の観光会社「加森観光」の加森公人代表取締役会長も贈賄罪で在宅起訴されている。

 500社は北海道留寿都村でのカジノ参入をもくろんで秋元容疑者に近づいたとされている。加森観光は留寿都村へのIR誘致で500社と2018年に合意。協力関係にあった。

 これまでいろいろな人たちが、IR議連の政治家に接触してきたという。

「仲介人がいて、その人に連れられてカジノ事業に一枚かみたい業者がやってくるのです。基本的には情報が欲しいという目的ですね。お土産はなかったけど、仲介人があとでパーティー券を買ってくれるなどのことはありました。ラスベガスへのあごあしつき接待を提案されたこともありました。さすがに断りましたけどね」(議員秘書)。普通は断るものだという。

 加森観光は北海道では実績のある会社。しかし、組んだ相手が悪すぎた。500社が日本のカジノ事業に参入できる可能性は限りなく低かったというのだ。

「例えば米国では『反社勢力とかかわりがある』と認定されたらカジノ参入はできないなど厳しい基準があるのです。日本もやはり厳しくやるので、そもそも中国で宝くじ関係の仕事をしていてカジノ経営の経験もなく、中国政府に近いという500社では参入できるわけがなかった」(前出の推進派関係者)

 金を渡した相手はどこにIR事業を誘致するかについての決定権があるわけではなかった。500社の謎の行動には、本紙がすでに指摘しているようにカジノの盛んなマカオを抱える中国がライバルになる日本のIR構想を潰そうと一計を案じたという可能性も根強い。

 一方で金をバラまくのは中国企業のやりそうなことだという。

「日本に入国できない事情を抱えている中国人をなんとか入国させられないか?と政治家が口利きを求められることがたまにある。中国人は政治家に賄賂を渡せば基準が緩くなるとでも思っているのです。日本の場合、そうはいかないわけで」(永田町関係者)

 500社側で逮捕された3人のうち2人は日本人だが、バックにいるのは中国企業。会社として金を渡せばカジノ参入の基準も緩まると考えても不思議ではない。もっとも、事態は真逆に進行中だ。日本のIR事業はより厳しい基準が求められることになった。