金正恩氏 イラン司令官殺害で顔面蒼白?

2020年01月06日 16時10分

 次は北朝鮮――。米軍がイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したニュースに一番衝撃を受けたのは北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に違いない。トランプ米大統領との交渉が膠着状態にある中、譲歩しない正恩氏のXデーは確実に近づいている。

「イラン軍部の事実上ナンバーワンである司令官が殺害され、金正恩は相当焦っているでしょう。北朝鮮はイランのオイルマネーでミサイル開発をしてきたし、兵器を輸出するなど深い関係でもあった。例年、1月1日から3日の間に金正恩は新年の辞を出すが、まだありません」と指摘するのは元韓国国防省北朝鮮分析官で拓殖大学主任研究員の高永テツ氏だ。

 先月、北朝鮮は米に対し、「クリスマスプレゼントを何にするかは米次第だ」と挑発したが、クリスマスを過ぎても何もないまま。同月28日に平壌市民に対し、住民総召集令を発令していた。

「総召集令は1993年の核危機や2010年の延坪島砲撃事件の前にも出されていて、何らかの軍事挑発に及ぶ可能性がある。米から譲歩を引き出すための脅しともいえるが、トランプ大統領を怒らせれば、イランの司令官のように自らの斬首作戦につながりかねない」(高氏)

 トランプ大統領は昨年11月にイスラム国(IS)最高指導者のバグダディ容疑者、そして年明けにソレイマニ司令官を殺害に踏み切った。米への脅威排除が大義名分で、11月の大統領選再選に向け、支持を集めたい思惑がある。

 米まで届く核ミサイル発射をにおわせる正恩氏は当然、いつ標的にされてもおかしくない。米軍は先月、朝鮮半島に過去にない規模の偵察機を送り込んでいる。

「4月までに北朝鮮が軍事挑発に出るタイミングとしては1月8日の金正恩誕生日、2月16日の金正日誕生日、3月初めごろの米韓合同軍事演習、あるいは4月15日の金日成誕生日が予想されるが、裏返しで金正恩が狙われる日にもなる」(高氏)

 イランの司令官殺害にびびった正恩氏が韓国への抱きつき作戦や亡命する可能性もあり、中東情勢同様、朝鮮半島も物騒な年となる。