妻子殺害の警察官 否認のまま死刑判決 動機は不明…遺族のやりきれない思い

2019年12月14日 16時00分

 妻子殺害の現職警官は全面否認のまま、死刑判決となった。

 福岡県小郡市で2017年6月、妻子3人を殺害したとして殺人罪に問われた元県警警察官中田充被告(41)の裁判員裁判の判決は、主文の読み上げが後に回される極刑。福岡地裁は13日「現職警察官が妻子3人を殺害した衝撃的な事件だ」として、求刑通り死刑判決を言い渡した。

 3人の死亡時間帯に外部からの侵入形跡がなく、第三者による犯行の可能性を否定し、妻を殺害したのは中田被告以外にいないとし、妻に子供を殺害する事情が見当たらず、子供2人の殺害も同被告の犯行と判断した。

 動機は、日ごろから妻に叱責され、うっぷんをためており「妻を殺害した特殊な状況で、冷静さを欠いたまま子供2人を殺害したとの想定は可能。計画性が認められないなどの事情を踏まえても、3人殺害という結果は誠に重大。死刑はやむを得ない」とされた。

 判決によると、中田被告は通信指令課所属の巡査部長だった17年6月5日深夜~6日朝、自宅で妻由紀子さん(38=当時)と小4の長男涼介君(9=同)、小1の長女実優さん(6=同)の首を絞めるなどして窒息死させた。

 中田被告の腕に妻の抵抗で付いたとみられる傷があること、妻の爪から同被告のDNA型が検出されたことなど、状況証拠はあるものの、直接証拠はなし。中田被告は「冤罪だ」などと一貫して無罪を主張し、判決を不服として即日控訴した。控訴審では一審死刑がどう判断されるかに注目が集まる。

 事件前の一家と交友のあった近隣住民は「涼介君はパトカーに敬礼するほど、お父さんの仕事を尊敬していたのに…。否認のまま死刑判決というのはなんともやりきれない」と話した。

 遺族も「判決が私たちの意見と異なることはないが、3人が殺された理由や詳しい事実は結局分からないままとなり、納得がいかない」とコメントを発表した。