新宿ホスト刺傷女は“悲劇のヒロイン症候群”だったのか

2019年12月04日 16時15分

 ホスト刺傷犯の女の素顔が見えてきた。今年5月、東京・新宿区の自宅マンションで、ホストの男性を包丁で刺し、重傷を負わせたとして殺人未遂の罪に問われた無職・高岡由佳被告(21)の裁判員裁判の初公判が東京地裁(丹羽敏彦裁判長)で開かれた。被害者のホストに月数百万円ほど貢ぎ、渋谷でデリヘル、他にも“パパ活”で稼ぎ、尽くしていた高岡被告。また犯行直前には「悲劇のヒロインになりたくて」とスマホにメモしていた。

 高岡被告は黒のパンツスーツに黒のヒール姿で入廷。メガネをかけ、髪はサラサラ、頬は赤くかわいらしい印象を与えた。

 起訴状によると、高岡被告は自宅マンションで被害者男性の腹部を包丁で1回突き刺し、治療などに39日間を要する外傷性肝損傷などを負わせたという。

 起訴内容について認め「彼のことが好きで死んで一緒になりたかった。今は思っていない。申し訳ないことをした」と反省の弁を述べた。対する検察側は「男性への独占欲から、殺害すれば他の女性と仲良くできなくなると考えた身勝手な犯行」と指摘した。

 証拠調べでは、高岡被告がホスト男性を包丁で刺す直前、スマホで作成したメモが読み上げられた。そこには「昔からずっと生きづらく、虚言癖があって。悲劇のヒロインになりたくて」「どうすれば私以外を見ないようになるのか。殺せばいいと思った。愛してます」などとつづられていたことが明かされた。

 不幸アピール、同情してほしいアピールが強く発する“悲劇のヒロイン症候群”だったのか。

 刺されたホスト男性も被告側証人として出廷した。事件後、高岡被告の弁護士から接触があり、示談金500万円で示談したこと、裁判所へ同被告の情状酌量を願う嘆願書を出したという。

 2人が知り合ったきっかけは、高岡被告が店長を務める新宿・歌舞伎町のガールズバーにホスト男性が客として来たことだった。だが、その店は経営不振で閉店。その後、高岡被告は渋谷のデリヘルで働いた。

「嫌われたくないので(デリヘルのことを当時は)話していない」

 デートなどの対価として金銭をもらう“パパ活”で得た金も貢いだ。

「彼に使うお金が増えて、4月に私がパパ活で海外旅行に行って少し疎遠になった。今年のゴールデンウイークはパパ活の人と海外に行って、200万円をもらった。肉体関係はあった。すごくみじめな気持ちだったけど(ホスト男性が)9月に店をやめると言っていたので、それまでの辛抱だと思っていた」

 ホスト男性は証言台で、高岡被告が2日に1度ほど勤務先のホストクラブへ来て自分を指名し、一晩に数百万円使ったことなどを語ったが、同被告が自分の顔を見ることは一度もなく、常に目をそらしていたという。

 高岡被告とは今年4月から性的関係を持っていたが、正式に交際はしていなかったとも。

「5月くらいから高岡さん(の気持ち)が重いと感じていた。屋上に呼ばれて『飛び降りる』と言われたこともあった」

 弁護人は、中国で生まれた高岡被告が2歳で来日し、帰化した過去も明かした。証人として出廷した母親は「カラオケバーの店長をやると聞いていたけど、実際はガールズバーだった。頻繁にホストに行って数百万使っていたのは知らなかった」と泣きながら話した。

 判決は5日に言い渡される予定だ。