あわや悪夢再び…今度は白川郷付近で火災 世界遺産への延焼防いだ首里城の教訓

2019年11月05日 16時00分

 沖縄・首里城火災に続き、今度は岐阜・白川郷で4日、火の手が上がり一時騒然となった。白川郷の合掌造り集落は、ユネスコの世界文化遺産に登録されており、観光名所にもなっている。

 燃えたのは、集落から約400メートル離れた村営せせらぎ公園駐車場内の木造小屋。同日午後2時40分ごろ、近くの住民から「小屋が燃えている」と119番通報があった。小屋には配電設備などがあった。

 火は約1時間45分後に消し止められたが、木造かやぶきの小屋2棟、計44平方メートルが全焼。小屋に止めてあった軽トラックと、駐車場の乗用車1台も燃えた。火災が起きる直前に「バーン!」という爆発音を聞いた住民もいるという。幸い、けが人はおらず、集落への延焼も免れたが、首里城に続く火災に不吉な予感がした人も多かったはずだ。

 延焼を防いだのは、白川郷の防火対策だ。114棟ある合掌造りの家屋は火に弱く、出火すれば集落全体に火が回りかねないため、付近には水の方向を自在に操作できる59基もの消火用放水銃が備え付けられている。水は30分間出し続けることができ、消火ではなく延焼を防ぐのが目的。

 毎年10月には一斉訓練があり、住民も自在に放水銃を扱えるよう訓練され、今年も先月27日に行われていた。

 元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は「首里城のケースを教訓に大事を取って、全59基で一斉放水した。行政機関が珍しく先手を取って、延焼を封じた好プレーです」と話す。

 火の粉が風に流されて、400メートル先の集落群に飛んできてもおかしくない。最悪を想定して動いたことが奏功した。

 何より白川郷の住民は防火意識が高く、1日4回の火の用心を欠かさない。火災のあったこの日は、村内にある博物館の職員2人が徹夜で見回りを行ったという。