アダ名は「スパイダーマン」でも実は…ビル専門窃盗男の“名前負け”手口

2019年11月05日 16時00分

被害に遭ったビル。男は右隣のビル屋上から渡り歩いた

 東京・新宿区のビルばかりを狙う窃盗事件で、住所・職業不詳の堀口裕貴容疑者(26)が2日、建造物侵入と窃盗の容疑で警視庁新宿署に逮捕された。ビルを狙うことから「スパイダーマン」の異名を取った男の実態は?

 逮捕容疑は今年4月14日深夜~15日未明、新宿区の5階建てビルの屋上にある不動産会社の事務所に侵入し、現金6万6000円を奪った疑い。ビルは1階にラーメン店が入り、内階段で上階に移動できるものの、屋上は施錠されていた。関係者は「ビルの屋上なのに信じられない」と驚くばかりだ。

 ビルの周辺では4~10月にかけて、ビルの上層階を狙った窃盗事件が少なくとも10件以上発生。台風19号が上陸し、暴風雨で新宿の繁華街から人が消えた10月13日の夜にも、周囲のビルの事務所内が荒らされる被害があった。

 警察では容疑者を「アメ(雨)イジング・スパイダーマン」と高所であろうとクモのように動くヒーロー「スパイダーマン」の映画タイトルに引っ掛け、警戒に当たっていた。

 逮捕容疑となった事件でもスパイダーマンのごとく、壁をよじ登ったのかと思ったら、そうではなかった。隣接する6階建てのビルから渡り歩いただけなのだ。ビルとビルの隙間は60センチほどしかない。スパイダーマンのように颯爽と大ジャンプ!したワケではなかった。

 警察は他の事件との関連を調べているが、男はこのようなビルの屋上を渡り歩くお手軽な高所窃盗の手口だったとみられる。雨の日を狙っていたのは、通行人が傘をさすなどして、視界が悪い状況になるからだった。

 結局、この事件の犯行では、室内に靴についた泥などの遺留品が残されており、防犯カメラの映像から男が浮上した。ビルは高層になればなるほど、施錠が甘くなる傾向があり、男もその盲点を突いた格好だが、「アメイジング・スパイダーマン」の異名がつくほどの驚異的な能力を持った男ではなかったようだ。