関電の疑惑解明本気度に疑問の声 第三者委員会にヤメ検起用の背景

2019年10月10日 16時00分

引責辞任を発表した八木会長(左)と岩根社長

 関西電力の役員ら20人が、福井県高浜町の元助役・森山栄治氏(故人)から総額3億円を超える多額の金品を受領していた問題で、同社の岩根茂樹社長(66)と八木誠会長(69)らが9日、大阪市内で会見を開き、辞任を発表した。

 八木氏は同日付で辞任するが、岩根氏は年末にも公表される第三者委員会の調査結果の報告日付で辞任する。

 会見で八木氏は「お客さまや社会の皆さまからの信頼、お気持ちを裏切り、多大なご迷惑をおかけしましたことを改めて深くおわび申し上げます。事態の経営責任を明らかにするため、2人が辞任することとしました」と辞任理由を説明した。

 一方、岩根氏は八木氏と辞任時期が異なることについて「広く社会の皆さまにご迷惑をおかけしている私が、限られた時間とはいえ職にとどまることが好ましくないことは自覚している。直ちに職を辞するべきですが、会社を代表してご批判、ご叱責をしっかりと受け止めつつ、本件に関わる問題を徹底的にあぶりだすため、第三者委員会に真摯に対応することが、経営トップとして本件に関わった私の最後の責務と考えた」と語った。

 会見で岩根氏は、経営責任など問題点を追及されると「第三者委員会で徹底的にやってもらいたい」と明言を避ける場面が目立った。同委員会には、大阪市が推薦した元市長の橋下徹氏の名前はなく“大物ヤメ検”元検事総長の但木敬一弁護士を委員長に計4人が就任した。

 これには関電の本気度に疑問の声が上がった。検察事情に詳しい関係者は「ウミを出し切るなんて無理でしょう。ヤメ検が企業の顧問弁護士や外部委員で重宝がられるのは、問題をうまく握りつぶしてくれたり、現役にニラミが利いたりするからで、岩根社長が『検事出身の方がいい』と言ったのも、そういう裏側を勘繰られてもおかしくない。元検事総長という大物に委員長を引き受けさせた関電の影響力に驚いた。自分たちが本当に困る人選なんてするわけない」と話している。