今度は立川で実刑判決被告が逃走 背景に人権問題と司法判断の逆行

2019年10月02日 16時00分

 東京・立川市で1日、恐喝未遂罪で実刑判決を受け、病院で診察を受けるとして裁判所が勾留執行停止を認めた無職、高橋伸被告(45)が逃走した。今年6月に神奈川県で窃盗罪などで実刑が確定した被告が逃走し、市民を不安に陥れたばかりだけに、裁判所や検察への批判の声が上がっている。

 高橋被告は今年3月に逮捕され、8月に恐喝未遂罪で懲役1年6月の実刑判決を受け、控訴していたが、身柄は立川拘置所で勾留されていた。病院で診察を受けるため、裁判所は1日午前8時半~同11時半の勾留の執行停止を認めていたが、時間になっても東京地検立川支部に出頭しなかった。

 診察には2人の身元引受人が同行することが条件で、同日朝、身元引受人が車で立川拘置所に高橋被告を迎えに来て連れ去り、3人とも行方が分からなくなったという。

 被告の逃走といえば、今年6月、神奈川県で窃盗罪などで実刑が確定し保釈中の小林誠被告(43)が、横浜地検が収容しようとした際、逃走し、4日後に潜伏先の横須賀市の知人宅で逮捕されたばかり。他にも7月に京都で覚醒剤事件で有罪判決を受け、保釈中だった男が逃走するなど、逃走事件が頻発している。

 司法関係者は背景を「10年前の裁判員制度が始まり、分かりやすく、短期の裁判が求められ、被告の人権も守られるようになったから」と語る。実刑判決を受けた被告が再保釈された数は2000年に263人だったのが昨年は1109人に急増した(最高検調べ)。

「日産のゴーン被告の逮捕後、保釈を認めない日本の制度は“人質司法”だと世界的に批判を浴びたが、保釈金を納付させることで逃亡を防げるという性善説だけでは今後も逃走事件は保釈数が増えた分だけ多く起きる。逃走した場合の厳罰化が必要だろう」(同)

 東京高検は高橋被告の顔写真を公開。「被告が逃走する事案が昨今、住民に不安感を与えていると認識している。大変遺憾で、できるだけ早く収容できるよう努力します」と平謝りしたが、市民はたまったものではない。