マッサージ治療院急増で悪質業者も…不正請求でボロ儲け続出の声

2019年09月30日 16時20分

 整骨院や鍼灸院、マッサージ院など、街の治療院が急増したのに伴い、健康保険証を悪用した診療報酬不正請求が多発し、警察が目を光らせているという。

 いまや治療院は国家資格者が開業しているだけでも全国で13万6460か所(2016年、厚生労働省発表)。コンビニ(約5万7000軒=18年)をはるかに上回っている。背景には1998年まで14校しかなかった柔道整復師養成学校が規制緩和で増え続け、現在100校を超え、資格取得者が飽和状態になっている実態がある。

「街には、もみほぐし、肩こり・腰痛改善というマッサージ系の治療院も増え、患者も増えてますが、中には顧客の保険証を利用してカルテを改ざんし、不正請求でボロ儲けしている治療院が後を絶たないんです」(健康保険組合関係者)

 4年前には暴力団が柔道整復師と共謀し、お笑い芸人らが絡む診療報酬詐欺事件が摘発された。

「暴力団は売れない芸人らを患者に仕立てて、国家資格を持つ柔道整復師に架空のカルテを作成させ、診療報酬をだまし取って組の資金源にしていた。芸人らは警察の参考人聴取を受けましたが、不正請求は以前から存在していた」(捜査関係者)

 よくある手口は、患者に健康保険証を提示させ、療養費受領委任書にサイン、押印をもらう「受領委任払い」という制度を悪用。白紙の診療報酬明細書にサインを書かせ、カルテを改ざんして不正請求する仕組みだ。

「捻挫、脱臼、骨折、打撲、挫傷の5種類の外傷性の施術に限り、公的保険が利用できる。慢性的な肩こりや腰痛は本来、保険適用外なんですが、症状を捻挫などと偽っても、健保の審査が甘いためにバレないケースが多い」(元接骨院経営者)

 さらに悪質な治療院は保険証番号を集めるために「無料マッサージ体験会」などを開き、客に保険証と印鑑を持参させて偽のカルテを作成して不正請求し、儲けているケースもあるという。

 捜査関係者は「患者はその場では懐は痛みませんが、健康保険金が患者の知らないところでだまし取られている。近々、悪質な治療院には詐欺容疑で摘発に動きますよ」と話している。