ベトナム人作業員CO中毒死事故 解体作業後の悲劇生んだ意外な裏側

2019年09月13日 16時00分

 東京都世田谷区南烏山の解体工事中のアパート内で10日、ベトナム人作業員男性2人が死亡し、同1人が意識不明となった事故の背景がわかってきた。

 2人の死因は一酸化炭素(CO)中毒で、作業中の事故かと思われていたが、実はそうではなかったようだ。

 現場は京王線芦花公園駅からほど近い2階建て木造アパート。警視庁と東京消防庁によると、10日午前8時半ごろ、現場に出勤した作業員が2階の一室で倒れている20~30代の3人を発見した。うち2人は現場で死亡を確認。残る20代男性は意識不明の重体で病院に搬送された。ガスの臭いがしたことから、ただちに付近は封鎖されて、高濃度のCOが検出された。

 近隣住民によると「解体作業は9日から始まった。アパートは電気、水道、ガスが止まっていたが、家具は備え付けられたままだった。その日の仕事を終えたベトナム人たちは、1階の屋内でガソリンが燃料の発電機を動かして、電気ケーブルを2階の部屋に引いて電気を利用していた。そしたら、発電機から出た一酸化炭素が上がってきて部屋の中にたまったそうだ」と話す。作業後の事故だったということだ。

 12日には実況見分が行われ、同一状況でCOが2階に上がってたまるか調べが進められた。

 ベトナム人作業員を派遣したのは関東の解体業者。「被害者たちは板橋周辺に住んでたけど、翌日(10日)も新宿の現場に行くことになっていたそうだ。板橋に帰るのは面倒くさかったのかもしれない。家具もあるし、このまま現場に泊まってしまうことにしたのでは」(同)

 9日に夜間作業の予定はなかったという。目的外で建物に泊まったとなれば、不法侵入罪に問われる場合もある。雇い主が注意したり、把握したりしていたかが焦点だ。

「発電機の音がうるさいから屋内に入れて窓を閉め切り、周囲にバレないようにしていたらしい」(前同)

 周囲の住民にも影響があってもおかしくない事故だけに、一日も早い原因究明が必要だ。