「いじめ防止法」を無力化する三位一体

2019年09月11日 16時10分

 埼玉県川口市立中に在籍中、いじめ被害を訴えていた県立特別支援学校高等部1年の小松田辰乃輔さん(15)が、8日未明に同市内のマンションから転落死亡した件で、問題点が次々と浮上している。

 小松田さんは過去に自殺未遂を3回繰り返し、市教育委員会の第三者委員会が、いじめについて調査中だった。県警は自殺とみており、市教委が事実確認を進めている。

 関係者によると、小松田さんのノートには「いじめた人を守って、ウソばかりつかせる」などと市教委を批判する言葉が書き残されていた。

 小松田さんの母親(44)は関係者を通じ「息子は、学校に裏切られ、教育委員会に見放され、加害者から傷つけられた。せめて今からでも、徹底的に真相を究明してください」とのコメントを発表した。

 2013年に施行された「いじめ防止対策推進法」は、今や風前のともしびだ。いじめを「当該行為の対象となった児童等が、心身の苦痛を感じているものをいう」と定義。傷ついている者がいれば、それはいじめということになり、教育現場がいじめ調査をしやすくなったはずなのに、同法が生かされていない。

 娘が高校時代にいじめに遭い、高校と係争中の父親は「国(文科省)、行政(教育委員会、私学は私学部)、教育現場(学校、教員)はいじめ撲滅に全く役立たない」とこう語る。

「文科省はせっかく法律を作ったが、周知徹底をしていない。教育現場はいじめが発覚すると教育者としての無能ぶりが暴露されるので、行政と結託して隠蔽する。特に校長・副校長などの管理職は定年後に教育長、教育委員会に再就職したいから必死に隠す。もう一つの問題は、教委と教員を人事交流をさせて同じ釜の飯を食うことになる。同じ釜の飯を食って仲良しになった者同士では批判できないのです」

 いじめ問題はいつになったら改善されるのか。