ゴーンの首を取った男・西川社長辞任 迷走続く日産が“ルノーに乗っ取られる日”

2019年09月10日 16時20分

 日産自動車が再び“乗っ取り危機”に直面しそうだ。日産は9日夜、取締役会後に記者会見を行い、同社の西川広人社長(65)が、16日付で辞任することを発表した。

 西川氏をめぐっては、ストック・アプリシエーション権(SAR)と呼ばれる株価連動型の役員報酬制度で、権利行使日をずらして4000万円超を不正に受け取っていた問題が浮上。当初、西川氏は「知らない」「ゴーン体制時代の仕組みの一つ」と主張、続投を望んだが、ガバナンス改革を進めるなかでの経営トップの不正行為は水を差すことになりかねない。

 結果、西川氏は四面楚歌状態に陥り、辞任を余儀なくされた。後任は10月末をメドに選任し、それまでは山内康裕最高執行責任者が代行する。

 それにしても、前会長のカルロス・ゴーン被告(65)のクビを取った男が、あっさり失脚するとは…。業界関係者は「ゴーン被告なきあとの権力闘争に負けた。もともと西川氏は評判も芳しくなかった」と話す。

 日産の業績も散々で、2019年4~6月期決算は営業利益が98・5%減。リストラ規模は4800人から1万2500人に膨れ上がった。弱り目にたたり目。こうなると、一気呵成なのは日産との経営統合をもくろむ仏自動車メーカー「ルノー」だ。

「ルノーに対して強硬姿勢だった西川氏がいなくなったことで、影響力を強めようと一気に攻めてくるだろう。日産社内でも業績不振に歯止めがかからず、ゴーン被告が進めようとしていたルノーとの経営統合に『乗ってみてもいいのではないか』という声が出始めている」(同)

 この日の会見では、ゴーン被告が同社にもたらした被害額が350億円規模であるという試算も併せて発表された。日産の迷走はいつまで続くのか――。