京急衝突事故 必要な根本解決策 進まない都市鉄道の高架・立体化

2019年09月07日 16時00分

 横浜市神奈川区の京浜急行線の踏切で快特電車とトラックが衝突した事故で、京急の社員2人が事故の直前に現場に居合わせ、トラックの切り返し作業を手伝っていたことが6日、分かった。京急によると、社員2人は踏切近くの「神奈川新町乗務区」に勤務する運転士(44)と車掌(24)。トラックに乗車し死亡した本橋道雄さん(67)から、踏切とは反対方向に左折するため後方確認を依頼された。

 2人は手伝ったが、本橋さんが左折を断念。その後、右折しようと何度も切り返した末、遮断機をくぐり抜けるように踏切に進入したため、運転士が踏切の非常ボタンを押したという。神奈川県警は2人からも話を聞くなどして詳しい状況を調べる。

 元東京消防庁消防官で防災アナリストの金子富夫氏は「京急は狭い街中を120キロくらいのスピードで走行している。踏切が多くある中で、危険極まりない。都市部を走る鉄道は根本的な対策に乗り出すべき」と指摘する。

 京急は車体を安定させての脱線防止策や脱線防止ガード設置などを講じているが、踏切内では人や車、オートバイなどがなんらかのアクシデントで立ち往生したり、遮断機が下りているにもかかわらず、立ち入る事態が日々、起きている。

「京急に限らず、都市鉄道は高架化を促進しなくてはいけない。せめて踏切はなくし、立体化するべきでしょう。速さも大切だが、国民の安全対策がなによりも優先されなくてはいけない」(金子氏)

 時速300キロ以上も出る新幹線は踏切をなくし、安全性を保っている。過密住宅地を走る都市鉄道は高架・立体化の必要性が叫ばれているものの、遅々として進んでいないのが実態。今回の事故は、安全に対する根本的な問題を投げかけているといえそうだ。