和歌山の無住寺で仏像盗難被害 犯人はなぜ盗んでおいて捨てたのか

2019年08月08日 08時30分

 和歌山県警白浜署は6日までに、窃盗などの疑いで和歌山県新宮市の古美術商の山口諭こと崔諭容疑者(45)と、大阪市の派遣社員の木田秀孝容疑者(43)を逮捕した。

 2月11~16日の間、無住寺(住職のいない寺)だった白浜町大古の梵音寺(ぼんのんじ)の本堂に侵入し、ご本尊である町指定文化財の梵音寺釈迦如来坐像1体を盗んだ疑い。14世紀半ばに制作されたとみられる木製の仏像で、正規の仏像取引の相場では時価200万円相当とのこと。

 崔容疑者は「全く身に覚えがない」と否認。木田容疑者は「梵音寺という名前は知らないけど、白浜町の寺に侵入して仏像を盗んだことに間違いない」と認めている。2人は友人関係にある。

 白浜署の捜査によって被害から約半年で逮捕までこぎつけた。犯行現場の鑑識活動から崔容疑者らの関与が浮上したという。動機について、捜査関係者は「お金目的の犯行だと思う」と話す。

 仏像は3月25日に同県由良町の国道沿いの元飲食店駐車場に放置されていた。関係者は「2月の事件後にニュースになったことで、買い手がつかなくなったのかもしれない。それで捨てたのではないか。海外には仏像の売買ルートがあるらしい」と指摘する。

 和歌山の紀南地方では昨年の2月以降、無住寺から仏像が盗まれる事件が相次いでいる。同署は2人の余罪についても調べを進めていく方針だ。

 釈迦如来坐像は、被害者である管理者の元に帰ってきた。しかし、発見されたとき、仏像にはネチョッとした液体がかけられていたという。

 実際の仏像を見た捜査関係者は「洗剤でもかけたように思えた」という。せっかく盗んだ仏像がお金にならないと分かり、腹いせに雑な扱いをしたのであれば、とてつもない罰当たりだ。