76才の受け子逮捕 貧困高齢者に犯罪集団の魔の手

2019年08月05日 16時20分

 高齢者を狙った特殊詐欺の受け子といえば、若年層というのが最近の傾向だが、最高齢とみられる76歳の受け子の女が逮捕された。

 警視庁が先頃、窃盗容疑などで逮捕したのは長野県長野市の無職・本藤絹子容疑者。今年4月、詐欺グループは東京・新宿区内の80代女性の口座から450万円を同容疑者の口座に不正送金。同容疑者が長野市内の銀行ATMで引き出した疑い。

 グループの手口は、女性宅に電話し言葉巧みにインターネットバンキングに登録し、不正送金。他にも通帳とキャッシュカードを本藤容疑者宅に郵送させ、2100万円を引き出していた。

 本藤容疑者は長野市内でスナックを経営していたが、赤字続きで今年に入って閉店。犯行後は捜査の手が自らに伸びているのを察したのか逃亡。関東、関西などを転々としていたが、先月になって、親族に説得され、出頭したという。

 調べに「カネをおろしたのは間違いないが、すべて知らない男に電話で指示された」などと供述している。

 高齢者をだまして得たカネの受け子が高齢者とは、世も末というほかない。だが、最近は高齢者にも詐欺グループのスカウトの魔の手が迫っている。

 捜査関係者は「裕福な高齢者がいる一方で、生活するのも厳しい貧困層の高齢者がいる。そうした人たちが借金したり、儲け話に飛びついたりするなかで、詐欺グループなどの犯罪集団に目をつけられ、最初は口座の名義貸しなどから始まり、犯罪行為に加担させられるケースもある。受け子が高齢者という今回のようなケースも珍しくなくなるかもしれない」と話している。

 受け子の最年少は2013年5月に東京都内の女性(80)から500万円をだまし取ろうとしたとして逮捕された江戸川区の中学3年男子(14)とされる。老若男女が特殊詐欺に関わるイヤな時代がきた。