2日連続!銃乱射事件にトランプ大統領の影

2019年08月05日 16時10分

 また米国で銃乱射事件が相次いだ。同国南部テキサス州のエルパソで3日に起きた銃乱射事件では20人が死亡、26人が負傷。逮捕された白人の男はメキシコ人を狙ったといい、アンチ移民派とみられる。4日には中西部オハイオ州で銃乱射事件があり、9人が死亡し27人が負傷した。7月にも西部カリフォルニア州で3人が死亡する銃乱射事件が起きており、犯人は白人至上主義者だった。トランプ大統領が再選を目指す来年の米大統領選を前に全米に負の感情が席巻している。

 テキサス州の事件は大型商業施設で起きた。3日午前11時ごろ、黒い半袖シャツにヘッドホンのようなものを着用した男が銃を構えながら施設に侵入。家族連れでにぎわうショッピングモールで銃を乱射した。

 警察に拘束されたのはテキサス州アレンに住むパトリック・クルシウス容疑者(21)で、現地メディアによると、インターネット上に容疑者が投稿した“犯行予告”があったという。

「この攻撃は、ヒスパニック(中南米系)のテキサス侵略に対する返答だ。侵略から文化や民族が置き換えられてしまうことから国を守っている」「移民は米国の未来に有害なだけだ」などと書かれていた。容疑者は警察に「できるだけたくさんのメキシコ人を撃ちたかった」とも供述している。

 エルパソは人口の8割がヒスパニック系で、現場の商業施設にはメキシコからも買い物客が訪れる場所だった。実際に死者の中にメキシコ人が6人いたことが判明し、計画的犯行だったことがうかがえる。

 一方、4日午前1時にはオハイオ州デートンの繁華街で銃乱射事件が起き、9人が死亡、27人が負傷した。容疑者は射殺され、動機など詳細は分かっていない。

 7月28日にもカリフォルニア州ギルロイのイベント会場で3人が死亡する銃乱射事件があったばかり。射殺された19歳の容疑者は白人至上主義にカブレていたという。

 白人至上主義者と思われる人物による移民に対する憎悪犯罪(ヘイトクライム)の背景には、トランプ大統領の移民政策による影響との指摘がある。トランプ氏はテキサス州などのメキシコ国境に「壁」を造ると公約。ヒスパニックの流入により「犯罪者や薬物が侵入している」と米国民をあおってきた。

 実際にテキサス州の銃乱射事件で逮捕された容疑者はツイッターでトランプ氏に賛意を示しているという。

 すでにトランプ氏は再選を狙う来年の米大統領選に向け、ヒートアップしている。民主党の左派で有色人種の女性下院議員らについて「もといた国に帰ったらどうだ」と“口撃”。トランプ支持者らは集会で「(国へ)送り返せ!」と連呼した。

「トランプ氏が人種差別との批判も気にすることなく、非白人排除の姿勢を変えないのは、自らの支持者である白人労働者中間所得層が喜ぶから。白人至上主義思想の犯人による銃撃事件が連続発生しようが、来年の大統領選までは支持者固めにいそしむでしょう」(米メディア関係者)

 そんなトランプ氏は事件について、ツイッターで「憎悪に満ちた犯行を非難する。罪のない人々を殺害する理由や言い訳は存在しない」と憤ってみせた。

 だが、永田町関係者は「トランプ氏は再選に向けて、より発言を先鋭化させていくことが考えられます」と指摘。白人至上主義者による事件はまだ続くのかもしれない。