CA痴漢エロ乗客の手口 “セクハラも日常”な土壌生む業界の体質

2019年08月03日 16時00分

 飛行機内で女性客室乗務員(CA)にわいせつな行為をした客の男が逮捕される事件が起きた。とかく、性的な好奇の目を向けられやすいCAたちからすると、実はこんなことは氷山の一角に過ぎない。CAへの痴漢やセクハラが生まれる土壌は、それを許容してしまう業界の体質にも原因があるという。

 警視庁東京空港署は2日までに、強制わいせつの疑いで会社員白石治彦容疑者(35=愛媛県今治市)を逮捕した。逮捕は1日付。5月22日午後7時ころ、羽田空港に着陸後の国内線の機内で20代CAに胸を触るなどのわいせつな行為をした疑い。「好みだった」と容疑を認めている。

 白石容疑者は着陸後、CAに「腹が痛いので薬を持ってきてほしい」と言ってトイレに入った。その後、薬と水を用意して待っていたCAを調理スペースに連れ込んで「彼氏いるの?」「不倫に興味ないの?」などと言って体を触ったという。「昨年も別の航空会社のCAの尻を触った」と供述していて、余罪もうかがえる。

 職業の選択肢が増えたことや肉体的な大変さから、最近ではCAが女性の職業ランキング上位の“高嶺の花”ではなくなった。それでも一定の男性からは今も熱い視線を送られる。「向き合って座れる席は、必ず予約する。仲良く話しかけられるし、目線を下ろせばCAさんの脚を凝視できる」と話す制服フェチの男性は、「国内外の出張で飛行機に乗る機会は多い。着陸後にCAさんにお願いして、必ず一緒に写真を撮ってもらってる」と自慢げに明かす。

 これに対し、現役の国内線CAは「こうやって写真を撮ってと言ってくる人がいて、応じるCAもいるけど、私は絶対に断ってる。後で何に使われるかわからないし、インターネットにアップされてもイヤだから」と否定的だ。

 また、現役の国際線CAは「この仕事をしていれば、セクハラを受けたことのないCAはいないと思う」と眉をひそめ、こう続けた。

「お尻を触られたり、手を握られたり、連絡先を渡されることもよくある。ありすぎて感覚が麻痺していて、少しのセクハラなら笑顔でスルーします」

 一方で白石容疑者が被害者に電話番号を書いたメモを渡して、身元を特定されたことには「連絡先を残したということは、自分のしたことに対して罪の意識がないんです。CAになら何をしてもいいと思ってるのがむかつくわね」と怒りをにじませた。

 この国際線CAによれば、荷物を収納しようとして無防備になっているときに、手でお尻を触られたり、股間を押し付けられたりするそうで、「感覚的には、ビジネスやファーストは注文がうるさい客が多く、エロい客はエコノミーの方に多い」という。航空会社によっては、問題行動の多い乗客はブラックリストに入れてCA間で情報共有し、警戒しているようだ。

 ただ、業界としてもセクハラや、事件になるレベルのわいせつ行為を見て見ぬフリをしてきた状況を、そろそろ変える必要があるという。

「今回の被害に遭ったのはCAになりたての20代前半の女性じゃないかな。免疫がないからこそ、被害を訴えることができたのかもしれない。ある程度の経験を重ねると、会社に報告するのをためらってしまう。被害を訴えようとしたとき、先輩や同僚から『それくらいのことも我慢できない女なのね』と評価が下落する空気がまだある」(元CA)

 手を出す客の男が一番悪い。しかし、業界の体質も変わらないと、CAは安心して働けないだろう。