転居するたびに偽名変えた逃亡生活

2012年01月14日 14時00分

 元オウム真理教幹部の平田信容疑者(46)をかくまっていたとして、犯人蔵匿容疑で10日に逮捕された元信者の斎藤明美容疑者(49)は逃亡中、捜査から逃れて転居するたびに偽名を変えていたとみられることが11日、分かった。また、斎藤容疑者を出頭に導いた滝本太郎弁護士(56)にも注目が集まっている。

 平田容疑者と斎藤容疑者は17年前、オウム占い師の「北へ向かえ」の指示に従って福島、宮城、青森と転々。1年後には大阪へ。大阪府内では15年余りの間、3か所に潜伏していた。

 斎藤容疑者は1995年12月から約3か月間働いていた宮城県仙台市の飲食店で「山口今日子」と名乗っていたほか、自首直前まで住んでいた大阪府東大阪市では「吉川祥子」の偽名で整骨院に勤めていた。

 2人は男女の関係で、平田容疑者が逮捕後、逃亡生活について語らなかったのも斎藤容疑者を隠すためだった。しかし、7日に滝本氏が斎藤容疑者の潜伏先と連絡先を聞き出し、出頭に導いた。警察は平田容疑者を出頭時にたらい回ししたのに続き、またも面目丸潰れとなった。

 滝本氏は平田容疑者の弁護人を務めているため、オウム側と誤解されているが、オウム真理教だけでなく、アレフやひかりの輪などオウム残党の撲滅を目指しており、敵対関係にある。もともとは親交のあった坂本堤弁護士が殺害された事件からオウム被害対策弁護団に加わり、入信・出家の阻止や脱会信者のサポートをしてきた。94年にはオウム信者から車にサリンをまかれ、殺されかけた壮絶な過去もある。

 オウム問題に詳しい有田芳生参院議員(59)は「滝本さんはオウム事件前から脱会信者の支援で、教団施設に出入りしていた。脱会信者のカウンセラーを続け、私や江川紹子さんよりも継続的にオウムの問題に取り組んできた人。平田容疑者も当時から知っていて(出頭後に)頼れると思ったのでは」と指摘する。

 オウム関係者独特の世界観を知り尽くしている滝本氏は、平田容疑者に対しても初接見時からオウム流の世間話で心をつかんだ。目黒公証役場事務長仮谷清志さん(68=当時)の逮捕監禁致死事件について、自責の念から号泣した平田容疑者に、滝本氏はもらい泣きしたという。取調官も顔負けの落としテクで〝全面自供〟させたワケだ。

 滝本氏は「私はオウムを潰すスタンスですが、誤解され、理解してもらえない人もいる。嫌がらせも受ける」と再び身の危険を察知。弁護人は務めるが、今後は表に出るのを控えたいという。