“上級国民”への厳罰の思い届くか 池袋暴走事故遺族が署名活動

2019年07月19日 16時00分

男性は娘の動画を公開して再発防止を訴えた

 東京・池袋で乗用車が暴走した事故で、妻の松永真菜さん(31)と娘の莉子ちゃん(3)を亡くした男性(32)が18日、都内で会見を開き、乗用車を運転していた旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(88)に厳罰を求める署名活動を開始すると話した。19日で事故から3か月となる。

 会見の冒頭に男性は、昨年6月の父の日直前に撮影した動画を公開。莉子ちゃんが男性に似顔絵をプレゼントし、真菜さんがケーキを焼いて祝ってくれた様子が収められていた。男性は「愛する2人との日常がとても幸せでした。事故はこの幸せを壊してしまう。ハンドルを握るときは配偶者や子供や孫への愛を車の外にも向けてほしい」と再発防止を訴えた。

 その上で、「今後、2人のような被害者とつらい思いをする遺族がいなくなるようにできるだけ厳罰をお願いしたいと思い、署名活動をします」と報告。8月3日に南池袋公園で午前10時から午後4時まで行う予定。男性のブログ「東池袋自動車暴走死傷事故 遺族のブログ」で署名用紙をダウンロードすることもできる。

“上級国民”と呼ばれる飯塚氏は逮捕されることなく、今後、書類送検される見込み。自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)が適用されるとみられ、最大で7年以下の懲役となっている。男性は「法律のことは分からないが、心情的には娘は3歳で命を失っており、加害者からすると30分の1しか生きていない。7年というのは長いとは思えない」と訴えた。

 より重い罪となると何があるのか。法曹関係者は「この事故で考えられる罪名は過失運転致死傷罪のほかには危険運転致死傷罪でしょう」と指摘した。危険運転致死傷罪は最大で20年以下の懲役となっている。しかし、故意性の有無が重要でハードルが高い。

 署名活動は秋ごろまで。思いは届くか。