小金井刺傷被害女性が都など提訴 ストーカー予防パトロールの実例は

2019年07月11日 16時00分

当時のイベント会場前に置かれていた冨田さんの写真が載った告知

 東京都小金井市で2016年、音楽活動をしていた冨田真由さんが刺されて一時重体になった事件で、冨田さんと母親は10日、警視庁が対応を怠ったなどとして、東京都や加害者の男、所属していた芸能事務所に、計約7600万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 冨田さんは提訴後に記者会見し「事件を知り、心配してくれた方々の温かい支援に救われました」と話した。

 冨田さんは16年5月21日、ライブハウスが入る小金井市内の建物で首や胸などを刺された。この事件をきっかけに17年1月、SNSでの付きまといを規制対象に追加し、罰則を強化する改正ストーカー規制法が施行された。訴状によると、殺人未遂罪などで実刑判決が確定した岩崎友宏受刑者(30)がツイッターやブログに「(冨田さんを)殺したい」と書き込んでいたため、冨田さんは事件前に警視庁に相談した。

 警視庁は危険が切迫していたのに岩崎受刑者に警告せず、約束した会場周辺の見回りもしなかったと主張。芸能事務所も安全に配慮する義務を怠ったと訴えている。警視庁は16年12月、安全を早急に確保する必要があると判断すべきだったとの検証結果を公表した。

 ある芸能プロダクション社長は「女の子が危険な状況を事前に相談していたならば、イベント会場、女の子の(自宅の)所轄の警察署に厳重にパトロールの要請をすべきです。私の事務所のタレントの自宅付近に変質者が出た時以降、警察にパトロールを要請して、2日に1回は警察からポストにパトロール報告書が入っている状況にしました」と語る。

 当時、冨田さんの自宅は武蔵野市で、ライブ会場は小金井市だった。ストーカー被害経験者は「警視庁広聴係に事務所、本人が内容証明郵便を送って、パトロール強化を要請すれば、多少は動いたかもしれません。ただ、自意識過剰な女性の相談も星の数ほどあるので、現場の警官が“報連相”して共有していなかった可能性も高いです」と指摘している。