所沢の中2刺殺 中学校と市教委に情報隠蔽疑惑浮上

2019年07月09日 16時15分

 埼玉県所沢市の市立中2年の本郷功太郎さん(13)が同級生の少年(14=殺人容疑で送検)に刺殺された事件で、少年が過去に2人の人間関係について学校に相談していたことを、学校と市教育委員会が隠していた疑惑が浮上した。

 事件は5日午後4時50分ごろ、少年と同居する祖母と、訪れた別の同級生が近隣住民宅へ駆け込み、住民が「中学生男子が腹と口から出血し、倒れている」と119番通報して発覚。本郷さんはテスト勉強を一緒にするため、少年宅を訪れた。その直後、少年に包丁で複数箇所にわたり刺されるという惨劇が起きた。本郷さんと少年は小学校からの友人で、中学校では同じ卓球部に所属。事件を受け、6日会見した中学校の校長、市教委は「担任教諭からは2人の間にトラブルがあったとの報告は受けていない」「2人とも教師が常に目を配らなければならないような生徒ではなかった」と話していた。

 ところが、その後の調べに少年が「過去、学校に2人の関係について相談していた」と供述していたことが判明。これを受け、8日に再び市教委が会見を開いて、こう釈明した。

「先日の会見では『(2人の間に)大きなトラブルはなかった』と話をしたが、全く何もなかったということではなく、何かがあったということについて、学校も教委も把握をしていた。加害者生徒と学校が相談をしたことは把握している。確認ができていない時点だったのでそのような説明になった」(市教委)。事件発生翌日の会見で混乱していたとはいえ、中学生同士の殺人事件で最も重要な過去のトラブルの事実関係を、警察からの情報が出るまで明かさなかった姿勢には批判が集まりそうだ。

 教育関係者は「今後は相談を受けていた学校側がどう対応していたかが問題になるだろう。一般的に、学校側はトラブルが起きると責任を回避しようと生徒との関係を隠蔽することがよくある。多感な中学生で、ささいなことが事件の原因となっているケースが多いので、学校や市教委は第三者委員会など客観的な調査をすべき」と話している。