岐阜の中3転落死の「いじめ告発メモ」担任らの封印と教育界の問題

2019年07月09日 16時15分

 岐阜市立中3年の男子生徒(14)がマンションから転落死した問題で、生徒がいじめに遭っていると訴えた同級生のメモの存在を学校側が知ったのは、生徒の死亡翌日に岐阜県警から照会を受けた後だったことが8日、分かった。市教育委員会によると、メモは同級生が担任に渡し、担任は学年副主任と内容を共有したが、管理職らには伝えていなかった。

 いじめ防止対策推進法に基づき文部科学相が定める「基本的な方針」では、学校がいじめに関する訴えや兆候を把握した場合、組織的に対応するよう規定している。

 文科省は同日、担当者を市教委に派遣。聞き取り調査後に記者会見した担当者は「(生徒の死亡は)重大事案で重く受け止めている。都合の悪いことも包み隠さず明らかにし、今後に生かすよう指導した」と述べた。

 市教委によると、メモは女子生徒が5月下旬に担任に渡した。担任は「完璧にいじめです。指導します」と返答した。男子生徒が今月3日に転落死した後、県警は関係者への聴取を進める中でメモの存在を把握し、翌4日午前に学校側に照会。学校側はこの時点で初めて存在を知ったとしている。

 文科省関係者は「教育現場としては、生徒からいじめ相談を受け、学校が調査すれば、教員たちの安全配慮義務違反や能力不足が露呈し、学校のイメージが失墜してしまうからです。不祥事で校長になれなかったり、教頭から外されたりしたら年俸も恩給も激減するので、教員は一生かけて保身します。だから、教員や学校はいじめなどを封印することもある」と指摘する。

 学校や教師が信用できないとなれば、いじめられた生徒は誰に相談すればいいのか。最近ではいじめの内容証明郵便を業務内容に掲げた行政書士が増えている。

 行政書士関係者は「知人の娘さんのいじめ問題で、市長宛て、教育委員会宛て、知事宛てに知人の名前で内容証明郵便を送ったら、教頭と担任の教員が家庭訪問して謝罪したそうです。担任は態度を変えて、用心棒代わりに送迎の友人男女を同伴させるようになり、いじめはなくなりました」と話している。