京都・アパート女性死体遺棄の謎 55歳・生活保護男と29歳・市職員の従属関係

2019年06月13日 16時00分

 京都府向日市のアパート駐車場に女性の遺体を捨てたとして、アパートの住人で職業不詳、橋本貴彦容疑者(55)と、向日市地域福祉課主査の余根田渉容疑者(29)がともに死体遺棄容疑で逮捕された事件が、波紋を広げている。遺体は橋本容疑者と同居していたとみられる40代女性の可能性が高い。当初遺体が置かれていた同アパートの別の部屋は余根田容疑者名義で借りられており、同容疑者は遺体の運搬にも協力しようとしていたとみられることから「何らかの弱みを握られ、協力させられたようだ」(捜査関係者)と異質な関係が浮上した。

 本紙も昨報したように、橋本容疑者は生活保護を受給し、余根田容疑者が担当のケースワーカーだった。橋本容疑者と同居していたとみられる40代の交際相手の可能性が高い遺体は、全身が白いテントシートで包まれた上から粘着テープで巻かれ、腐敗が進んでいた。

 2人は「女性の死体を運び出して駐車場に遺棄したことは間違いない」と容疑を認めている。

 司法解剖で死因は特定できなかったが、死後約1か月が経過していることが判明。目立った外傷はないが、橋本容疑者は調べに「口論の末に女性を死なせてしまった」との趣旨の供述をしているという。

 向日市の安田守市長は12日、記者会見し「多大なご迷惑をお掛けし、心からおわびします」と謝罪。市によると、余根田容疑者は2015年7月から地域福祉課で勤務し、18年1月から橋本容疑者を担当。「真面目で寡黙なタイプで、勤務態度に変わった様子はなかった」という。

 余根田容疑者が担当していた別の生活保護受給者は「若いのにヤリ手な印象で真面目。親身になってくれて信頼していたので(事件は)不思議でならない」と話した。

 橋本容疑者は2階建てアパートの1階に居住。11日午前11時ごろ、近隣住民からこの部屋の真上に位置する「2階の一室から異臭がする」と110番があった。

「2人は通報を知って、発覚を恐れ、遺体を部屋から運び出したとみられる。余根田容疑者は月1回のペースで橋本容疑者との面会のため、アパートを訪れていたが、普段は自転車なのに、11日の遺体発見時、駐車場には余根田容疑者名義の車が止まっていた。橋本容疑者に遺体の運搬を頼まれ、承諾したのではないか」(捜査関係者)

 遺体が置かれていた2階の部屋は、余根田容疑者の名義で5日から借りられていたことが13日、捜査関係者らへの取材で分かった。室内には遺体を入れていたとみられる大型の冷蔵庫があったという。

 近隣住民によると、橋本容疑者は近所の商店でトラブルを起こし、店から警察に通報されるなど、問題の多いコワモテの人物だったといい、11日の遺体発見時にも「駆け付けた警官を威嚇するような感じでモメていた」という。 捜査関係者は「市職員と生活保護者の関係なので普通は余根田容疑者の方が指導する立場だが、状況をみると立場が逆転している。何か弱みでも握られていたのか、橋本容疑者の命令に従う、いわゆる従属関係になっていたと思われる」と話している。