妻殺害マザコン息子の“共犯”母に求刑上回る異例の判決出た背景

2019年06月13日 16時00分

 茨城県取手市の実家の庭に、妻の弥谷麻衣子さん(30=当時)の遺体を埋めたなどとして、殺人罪などに問われた夫で元銀行員・鷹仁被告(37)と、殺人ほう助罪と死体遺棄の罪に問われた母親の恵美被告(64)の裁判員裁判(岡部豪裁判長)の判決公判が12日、千葉地裁で開かれた。

 判決によると、鷹仁被告は昨年3月4日、千葉県柏市の自宅で、妻に睡眠導入剤を入れたカレーを食べさせ、乗用車内で首を絞めて殺害した。恵美被告は事前にシャベルを購入するなど手助けし、2人で実家の敷地内に遺体を埋めた。

 公判で恵美被告は「本当に殺すという認識はなかった」とほう助罪については無罪を主張。だが、“マザコン”とも言われる息子から頼まれてもいないのに、犬の埋葬方法を検索し、石灰を購入、穴を掘る鷹仁被告の汗をタオルで拭いたなどの事実が判明していた。

 裁判長は鷹仁被告に「用意周到で綿密に計画を練り上げていて強固な殺意があった。殺害を本気で考え、それ以外の手段を考えなかった」と指摘し、懲役15年(求刑懲役17年)を言い渡した。

 恵美被告には「息子の犯行を止められる唯一の存在だったが、積極的に手助けをした。鷹仁被告の半分程度の刑が相当」と、検察側の求刑懲役6年を上回る懲役7年を言い渡した。

 さらに「犯行から1年以上たっているのにもかかわらず、当事者意識がなく、自分を正当化する弁解を繰り返している」と公判での発言を痛烈に批判し「殺人ほう助罪としては最大の量刑を科すことが適当だ」とした。

 最後には、裁判長が2人を諭す場面もあった。鷹仁被告に対し「つらかったのは理解できる。将来、娘に『自分も弱い人に寄り添えるようになったよ』と言えるようになってほしい」、恵美被告には「受刑生活を通して、母として自分を頼る人を正しく支えられる人になって」と語りかけたが、2人が言葉を発することはなかった。