「ゴーンの右腕だったことは一度もない」日産・西川社長を告発したケリー被告の主張

2019年06月10日 16時20分

 会社法違反(特別背任)などの罪で前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(65)が起訴された事件で、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴された前代表取締役のグレゴリー・ケリー被告(62)が10日発売の月刊「文藝春秋」で、西川広人社長(65)を“告発”した。

 昨年12月に保釈されたケリー被告がメディアのインタビューに答えるのは初。同被告はゴーン被告の最側近とされているが、日産の最高意思決定機関である「エグゼクティブ・コミッティ」(EC)のメンバーでなかったといい、「右腕だったことは一度もない」と否定。またゴーン被告のプライベートには全く関与せず、いつ再婚したのかも知らなかったという。

 そのうえでケリー被告はゴーン被告の退任後に支払うことが決まっていた報酬を有価証券報告書に記載していなかった件に関し、否認。西川氏と2人で、ゴーン氏を日産に引き留めるため、退任後にコンサルティング契約(10年契約で一時金約44億円支払い等)の覚書を作成したにすぎず、西川氏はサインしたが、ゴーン氏のサインはなく、未契約だという。そのため「西川氏が逮捕されないのなら、私も逮捕されないはず」と訴えている。

 さらにゴーン被告がブラジルやレバノンに高級住宅を日産の資金で購入していた件では、「過去にも経営陣からのリクエストでスイスにビジネス用に家を確保した例がある」と証言し、問題はなかったと主張。

 他の事例として、西川社長が13年に都内で新しい家を購入しようとした際、「現金がない」と日産名義で購入してほしいとケリー被告に打診してきたことを明かした。費用は毎月会社に返済し、退職時に残金を支払う内容だったが、最終的に実現しなかったという。

 終始、西川社長への不満を爆発させたケリー被告。司法関係者の間では、金融商品取引法違反でゴーン、ケリー両被告の有罪立証は無理筋との見方が強い。事件後、ゴーン被告を断罪していた西川社長だが、ケリー被告の証言通りなら、その化けの皮も剥がれかねないが…。