長男を金づちで殴打・下腹部に包丁 殺人未遂の母が抱えた「心の闇」

2019年06月07日 16時00分

 埼玉県警狭山署は6日までに、長男(11)を包丁で刺したとして、殺人未遂の疑いで母親の尻引絵里容疑者(38)を現行犯逮捕した。長男に命の別条はない。尻引容疑者は容疑を認めている。

 事件があったのは5日午後6時半ごろ。尻引容疑者は、狭山市にある自宅1階の脱衣所で長男の頭を金づちで殴り、下腹部を包丁で刺して殺害しようとした。長男はなんとか逃げ出し、近所の住民宅へ「母親にトンカチで叩かれた」と駆け込んだ。住人が110番し逮捕となった。尻引容疑者は4人暮らしで当時、夫は不在。自宅にいた次男(9)は無事だった。

 6日も警察が容疑者宅を入念に調べていた。近隣住民によると、事件直後に救急車などがやってきて、閑静な住宅街が騒然としたという。

 何か問題を抱えていたそぶりはうかがえない。近所の女性は「家族みんな仲良さそうでした。子供たちの遊ぶ声もよく聞こえていたし、尻引さんも会えばあいさつする朗らかな人でしたし。悩みがあったかは分かりません」と言葉少なに語る。

 別の女性は「ショックすぎて言葉が出ない」と話すのみ。それだけ幸せそうな家族と犯行のギャップに衝撃を受けているわけだ。虐待などの通報や相談はこれまで警察になかったという。

 長男をめぐる育児の悩みが母親に殺意を芽生えさせたのか。近隣の年配女性は「この辺はどんどん新しい人が越してきてる。捕まった人も近くに住んでいるのに全然知らなかった。こういう環境だから子育てするなかで周りに相談できないこともあったのかしら!?」とストレスを内にため込んでいたのではないかと指摘した。

 容疑者宅は新しそうな一軒家。周辺も新築の家が多い。話せる人が少なかったのかもしれない。動機の解明とともに長男の心のケアが大事だ。