【寝屋川事件】被告の死刑確定 異例の控訴取り下げと上訴権

2019年05月22日 16時00分

 きわめて異例…。大阪府寝屋川市の中学1年の男女を殺害したとして殺人罪に問われた山田浩二被告(49)が控訴を取り下げ、求刑通り死刑を言い渡した大阪地裁の裁判員裁判判決が確定したことが21日、分かった。死刑判決に対する被告人の上訴権は保証されているが、それを事実上放棄したかのような判断だ。

 大阪高裁によると取り下げは18日付。理由について、弁護人などからの説明はない。

 昨年12月の判決によると山田被告は2015年8月13日ごろ、大阪府またはその周辺で、平田奈津美さん(13=当時)の首を手などで圧迫し窒息死させた。平田さんと共にいた星野凌斗さん(12=同)の首も何らかの方法で圧迫し窒息死させたとされる。殺害への関与を示す直接証拠はなく、山田被告は殺意を否認。判決に対し即日控訴していた。

 刑事訴訟法第360条は、死刑や無期懲役などの判決に対する上訴について「これを放棄することができない」と定めている。極刑判決に対してはより慎重な審理が行われるべきとの趣旨だとみられるが、一度は控訴したものの上級審の裁きを待たずして取り下げた山田被告はその権利を投げ出したようにも見える。

 控訴審の判決なしでの死刑判決確定では近年、01年に起こった大阪・池田小の児童殺傷事件の被告が控訴を取り下げた例がある。04年発生の奈良・女児殺害でも同様。一連のオウム真理教事件を主導した麻原彰晃元死刑囚(昨年執行)の裁判では、弁護団が控訴趣意書を提出しなかったことを理由に控訴が棄却され、東京地裁の死刑判決が06年に確定した。こうしたケースは、山田被告を含めて珍しいとみられる。

 これまで山田被告は大阪拘置所で一般紙や通信社の接見に応じており、共同通信に対しては「死刑は想定していなかったのでショックだ。心構えもできていない」と語る一方、控訴審への意欲も見せていた。何が裁判終結を決意させたのか。