ゴーン被告に無罪の目が…裁判所の「英断」で検察は窮地に

2019年05月17日 16時01分

カルロス・ゴーン被告

 会社法違反(特別背任)や金融商品取引法違反の罪で起訴された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告(65)に朗報!?

 元参院議員の犬塚直史氏が代表世話人を務める「ゴーン事件を契機に、日本の人質司法を考える」第2回勉強会が16日、国会内で開かれ、99%有罪といわれる特捜事案で、潮目が変わりつつあるとの見方が示された。

 ゴーン事件を巡っては、人質司法といわれる長期拘束、取り調べ時に弁護士が同席できないなど、日本独特のシステムが国際的な批判を浴びた。

 40年近く日本に居住した元シャネル日本法人の社長で作家のリシャール・コラス氏は「ほとんどの国の司法は推定無罪だが、日本は推定有罪。北朝鮮と似ているという人が多くて、私は『北朝鮮は鉄砲で撃つが、日本は逃げられなくすることで精神的な拷問がある』と答えている。早く司法制度を考え直して、企業のガバナンスを厳しく設定するべき」と訴えた。

 ゴーン被告は先月、再保釈され公判を待つ身となり、取り巻く状況は大きく変わっている。元公認会計士で会計評論家の細野祐二氏は「ゴーン氏には役員報酬の虚偽記載、2つの特別背任の容疑があるが、いずれも会計的には何の犯罪にもならない」と指摘する。

 会計基準では有価証券報告書への記載義務はなく、サウジアラビア、オマーンの両ルートの疑惑も日産に対しての損失を認定できないという。

 ゴーン事件で強権を振るう検察に対し、裁判所は勾留延長の却下や公判前整理手続き前の保釈など異例の対応を見せている。検察は当初、司法取引に応じた日産の証拠を基にまず日産に有罪判決を出し、ゴーン被告にも当てはめる算段だったとみられるが、裁判は分離されないことになった。

 分離されないことでゴーン被告にとっては不利になるとの見方もあるが、元検事の郷原信郎弁護士は「政府の方針があって検察が国策捜査的に出たのは否定できない。日産を有罪にすることが唯一、頼みの綱だったが、裁判所は英断した。検察は追い込まれていると思いますよ」と話している。