北朝鮮「弾道ミサイル」発射の背景に金正恩氏と妹の確執?

2019年05月13日 16時20分

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が短期間に2発もの弾道ミサイルを発射させた背景の一つに“妹”の金与正氏との確執が浮かび上がっている。

 約1年5か月おとなしくしていたものの今月4日と9日、ミサイルを発射。正恩氏が予告もなくミサイルを発射したのは、2月にベトナムで行ったトランプ大統領との2度目の米朝首脳会談で、非核化を巡る交渉が不調のうちに終了したことが原因とみられる。

 日本の公安関係者は「先月、正恩氏は北朝鮮の国会にあたる最高人民会議の演説で『自分の要求だけを押しつけようとするやり方はわれわれの体質に合わない』と力説し、北朝鮮が非核化を達成するまで制裁を続ける方針の米国に対し、不満を爆発させた。今後はトランプ氏の大統領選挙に影響が出るよう、射程の長い弾道ミサイルを発射することが警戒されています」と話す。

 なぜミサイル発射という暴挙がこの5月というタイミングだったのかといえば、正恩氏が最も信頼を寄せていたはずの与正氏との「確執」も取りざたされる。与正氏は正恩氏の国内行事や外交の場で重要な役割を果たす側近として活躍する金ファミリーの“女帝”と目されていた人物だ。

 ところが、与正氏は正恩氏が先月15日に行った故金日成主席の誕生日に側近の幹部たちを引き連れて錦繍山太陽宮殿を参拝した際、同行しなかったことが確認されている。

 朝鮮半島情勢に詳しい関係者は「与正氏は朝鮮労働党宣伝扇動部に籍を置いています。プーチン大統領との首脳会談(4月25日)にも同行していません。与正氏は正恩氏に対米交渉の宣伝戦を任されていたが、失敗した責任を取らされた可能性が高い。北朝鮮は年末までに、米国に対し非核化交渉の方針を転換するよう求めたが、与正氏に出る幕はないかもしれない」と指摘した。