大津の園児死亡事故で心配される報道陣と保育園2つの萎縮

2019年05月10日 16時00分

8日の会見で泣き崩れた若松園長

 大津市の交差点で車2台が衝突した弾みで1台が保育園児の列に突っ込み、園児2人が死亡した事故が波紋を広げている。

 右折しようとした乗用車の無職・新立文子容疑者(52)=大津市、自動車運転処罰法違反(過失傷害)容疑で逮捕=が「ガシャンという衝突音で初めて相手の車に気付いた」と供述していることが9日、分かった。

 軽乗用車で交差点を直進し、衝突した無職女性(62)は「右折車が止まってくれなかった」と説明しており、大津署は新立容疑者の前方不注意が事故につながった可能性が高いとみて、ドライブレコーダーの映像を解析している。

 そんな中、もっか大炎上しているのが事件当日の夕方に行われた保育園の記者会見だ。会見に出席した園長は園児を亡くした悲しみで憔悴しきっていたが、報道陣はまるで保育園に責任があるとばかりに矢継ぎ早に質問攻め。

 これにタレントのつるの剛士(43)や加藤浩次(50)、坂上忍(51)、立憲民主党の蓮舫参院議員(51)が苦言を呈し、ネット上では質問者の身元を特定する動きが活発化している。

「1月のジャニーズの『嵐』の活動休止会見でも、突っ込んだ質問をしたスポーツ紙の記者が叩かれた。今回の件も含めて『これからの時代は世間の反応を気にしながら質問しなければならないのか』と、嘆く声も聞かれます」(テレビ関係者)

 萎縮気味なのは保育の現場も同じだ。事故を受け、全国的に日課の散歩を取りやめる園が続出。庭のない園もあるだけに、保護者からは「外遊びせず、ずっと子供を屋内にとどまらせているのは、かわいそう」という声も出ている。

 元保育士の女性は「あの園長の会見を見て『万が一が起きてからでは遅い』と考えるのは普通のこと。保護者の目もしばらく厳しくなる。保育士も同じ人間。ならば『(散歩に)出掛けなければいい』という選択になるのも分かる」と語る。

 ネット上では保育士を応援する「保育士さんありがとう」運動も起こっているが、一番望まれているのは、普段通りの平和な毎日だ。