従業員が明かすラブホの危険な日常

2013年05月05日 11時00分

 設備もセキュリティーも充実しているラブホに先月、強盗が押し入る事件が、熊本で起きた。その犯人がようやく捕まったが、元従業員の女(55=窃盗罪で起訴)の仕業だった。様々な人間が利用するラブホ、実は日常的にトラブルだらけという。現役従業員が明かす「コワ~い実情」とは――。

 元従業員の女は4月6日午前8時ごろ、熊本市内のラブホテル事務所に強盗に入り、食事中の女性従業員(56)に後ろから刃物のようなものを突きつけて「お金を出しなさい」と要求。女性が抵抗したため、何も取らずに逃走した。ラブホといえば、防犯カメラが内外に設置されているのが一般的。そのため強盗事件などめったに起きない。そんな事情からも「内部事情に詳しい人物による犯行」とみられていた。

 女は昨夏、同ホテルで1か月働いていた。「事務所のあるフロアには防犯カメラがなかった」(熊本北署)ことも知っていたはずだ。

 従業員女性にケガがなかったのは幸いだったが、実は男女が本性を現すラブホでは大小の“事件”が日常的に起きる。

 繁華街のラブホで働く従業員によると、最も多いトラブルは料金の未払い。次に多いのは薬物がらみだという。

「ラブホの部屋を覚醒剤の隠し場所にする人は結構いる。掃除のときにクスリや注射器がよく見つかるのは天井の通気口の中と、ソファのクッションの隙間」(前同)

 どうやら覚醒剤の売人がラブホを定宿にすることが多いようだ。

「よく知った常連さんには、半月ほどの宿泊代がたまってくると『そろそろ支払いお願いします』と言いにいく。すると客は『よっしゃわかった。ちょっと金、作ってくるわ』と白い粉の入った袋を近くの繁華街で売りさばき、支払いを済ませたこともある」という。

 クスリだけでなく物騒な客もいる。「ヤクザが『ちょっと荷物預かって』とフロントにバッグを持ってきた。重かったんで『黒くて重いアレですか?』と聞くと『そうだ』と言うんで丁重にお断りしました」(前同)

 ごくまれに、拳銃が部屋に置き忘れられていることもある。

 傷害事件まがいのトラブルも多く、退室時間を誤って伝えた従業員が客に殴られたり、新装開店したラブホの“仕切り”をめぐってヤクザ同士が抗争を起こしたことも。

 性癖で困るのは予想通り。「ベッドの上に排せつ物がこんもりと山になっていることも。これは本当に勘弁。他には1人で来た男性客が全裸にシーツをかぶって廊下をずっとウロウロしてたり…」

 ラブホの経営も一筋縄ではいかない。