【池袋暴走事故】上級国民デマを真に受け?海外報道も

2019年05月08日 16時20分

母子が亡くなった交差点付近

「上級国民」というワードまで生まれた“池袋暴走事故”。先月19日、旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)が運転する乗用車が暴走し、松永真菜さん(31)と長女莉子ちゃん(3)がはねられ、亡くなった悲惨な事故は、日本中に大きなショックを与えた。

 事故後、飯塚元院長は任意の取り調べに「アクセルが戻らなくなった」と説明していたが、警視庁は7日までにメーカーの担当者とともに車の安全性を調べたところ、アクセルなどに「異常はなかった」と結論付けた。当局は飯塚元院長がアクセルとブレーキを踏み間違えたものとみて、自動車運転処罰法違反容疑で自宅を家宅捜索した。

 飯塚元院長をめぐっては、その華麗なる経歴が話題になった。

 クボタの副社長や日本計量振興協会の会長を歴任し、瑞宝重光章までもらった“偉人”だった。そのため、事故後も逮捕、拘束されていない現状に、何らかの“力”が働いたと勘繰る者が続出した。

 ネット上では「加害者の息子は安倍晋三首相の元秘書」などのデマも広がり「上級国民なら許されるのか!」と怒りの声が充満していた。

 これを真に受けたのが、インドネシアのニュースサイト「トリビューンニュース」だ。飯塚元院長の年金額まで詳報し「2人殺して逮捕されない元官僚」「日本の当局から特別扱いを受けている日本人」などと伝えた。

 しかし、実際は飯塚元院長が高齢で現在入院中であることや、証拠隠滅の恐れがない点を考慮し、警察は身柄を拘束しない任意捜査を行っていたにすぎない(本紙既報)。

 捜査関係者によれば「退院後に逮捕だろう。仮にそうでなくても立件され、このクラスの事故なら一発実刑で交通刑務所行きもあり得る」という。

 デマが真実のように広まるネット社会。令和ではこんなケースが続発しそうだ。