バス事故は即逮捕されたのに池袋は…ネットで巻き起こる陰謀説を検証

2019年04月22日 16時00分

 今度はバスだ。21日午後2時ごろ、神戸市中央区のJR三ノ宮駅前で、大野二巳雄(ふみお)容疑者(64)が運転するバスが歩いていた20~50代の男女8人を次々とひいた。うち20代の男女が死亡。兵庫県警は市交通局職員の同容疑者を自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで現行犯逮捕した。同容疑者は30年以上勤務するベテラン。発車前のアルコールチェックや、直近の定期健康診断で問題はなかったが、糖尿病の持病があり、インスリンを服用していた。

 バスは日産製のオートマチックのディーゼル車。毎年の車検のほか、3か月に1度の法定点検を受けており、問題は報告されていないという。調べに大野容疑者は「バスが急発進して、人をはねてしまった」と供述している。

 先週19日には東京・池袋で旧通産省工業技術院の飯塚幸三元院長(87)の運転する車が猛スピードで交差点に進入し、自転車の母子がはねられ死亡する事故が起きたばかり。連鎖する暴走事故に衝撃が走った。

 そんな中、SNSでは大野容疑者が現行犯逮捕されたのに対し、飯塚元院長はそうでないことに疑問の声が噴出。飯塚元院長が東京大学卒業後、旧通産省の元工業技術院長を務め、クボタの副社長に就任。2015年には瑞宝重光章を受章するなど、輝かしい経歴の持ち主であることから「“上級国民”に対する忖度では?」という陰謀説が急拡散されている。

 これに捜査関係者は「飯塚さんは事故でケガを負い、入院中。高齢でもあり逃亡の恐れはない。またドライブレコーダーを任意提出するなど、捜査に協力的で証拠隠滅の恐れはない。こうした場合は身柄を拘束せずに任意捜査することがほとんど。別におかしいことではない」と話す。

 事実、警察は飯塚さんの回復を待って、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で詳しく事情を聴く方針だ。

 怖いのはこうした事柄に対し、勝手にストーリーを作るSNSの方かもしれない――。